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【動物に会える映画 vol.2】ドラマの舞台は動物園! おすすめ3選

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『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』
  • 『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』
  • 『幸せへのキセキ』(ウォルト・ディズニー・ジャパン)
  • 『幸せへのキセキ』(ウォルト・ディズニー・ジャパン)
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  • 『幸せへのキセキ』(ウォルト・ディズニー・ジャパン)
  • 『幸せへのキセキ』(ウォルト・ディズニー・ジャパン)
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日頃から、絶滅危惧種の繁殖や野生動物の保護、生き物への理解を深め自然と人間が共存できるよう大きな役割を果たしている動物園。世界中の動物園が情報を共有しながら、その運営に尽力し、私たちを楽しませてくれています。

大好きな場所が、時節柄どうなっているのかも気になるところ。対策を講じながら再開させた園も多いようです。SNSを駆使し、人気のない動物園を紹介してくれている施設もありましたが、そこから垣間見えるのは、来場者がいてもいなくても、多くても少なくても、動物たちの生活にはあまり変化がないということ。つまり、動物園側は収入がなくても、相当の経費をかけて、彼らを養っていかなければならないのです。

『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』

(C)2017 ZOOKEEPER’S WIFE LP. ALL RIGHTS RESERVED.

動物を飼育するということには、大きな責任が伴うのは言うまでもありません。それは、新型コロナウイルスの蔓延で苦しむ今の世界でも、戦時中でも同じこと。第二次世界大戦下のポーランド・ワルシャワで起きたある出来事からも、その責任の重さを感じることができます。

『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』は、1939年当時、欧州最大規模を誇るワルシャワ動物園を営んでいた夫婦の物語。ナチス占領下でも、動物の命を救うべく園の存続に奮闘しただけなく、園内におよそ300人のユダヤ人を匿ってその命を救ったという感動の実話が基になっています。命を懸けたその高潔な振る舞いは、現在、新型コロナウイルスとの戦いに最前線で挑んでくれている世界中の医療従事者、エッセンシャルワーカーたちのそれと重なります。。誰かのために命を懸けることの尊さと勇気には、時代も国境も、立場も性別も関係ないのです。

ちなみに、2017年に主演のジェシカが来日した際には、インタビューを行いました。動物たちとの共演について、「奇跡のようだった」と優しい笑顔を話してくれたことを今でも鮮明に覚えています。彼女が動物たちと共演している場面はCGではなく、すべてがリアル。特に冒頭、ライオンの赤ちゃんにミルクをあげる場面では、ほんのワンシーンにもかかわらずアントニーナの人となりが見事に表現されています。そこで垣間見える慈愛と母性が、その後のストーリー展開を大きく納得させるカギ。ジェシカの美しい表情も、動物好きならすぐに“同志”だとわかるものでした。

「動物を救う余裕があるなら、先に人間を」という声をたまに耳にしますが、この物語を見ていると、動物を愛する人は隣人を愛する者でもある、そう実感できるのです。ジェシカのインタビューが気になる方は、こちらをどうぞ。
【インタビュー】ジェシカ・チャステイン、ステレオタイプな“女性像”は「映画で壊していかなきゃ」(シネマカフェ)

『幸せへのキセキ』

(C)2013 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

平時であっても、動物園に訪れる最大の危機のひとつといえば、経営難かもしれません。危機に瀕した動物園を救った人々の実話を映像化したのが、『幸せへのキセキ』です。妻に先立たれ生きがいを失ったコラムニストが、子供たちとの未来のために、郊外に広大な土地付き一戸建て(でもワケアリ)を購入。その“ワケ”がまさに、赤字の動物園だったという物語です。

原題は『WE BOUGHT A ZOO』。そのまんまです。周囲の心配をよそに、動物園付きの家に引っ越した家族は、飼育員たちと知り合い、彼らの情熱、そして問題だらけの現状と向き合うことに。請求書の山と闘いながらも園の復活を目指す中、動物たちとの暮らしを通して、家族は傷ついた魂を再生させていくのです。

動物園再生の物語からは、運営の苦労も見えてきます。動物を飼うということは、動物たちの命への責任も背負うということ。人間側にどんな事情があろうと、彼らは待ってはくれません。相当の覚悟なしにはやり遂げられることではありませんが、でもそれは、たった一頭の犬、たった一匹の猫、たった一羽の小鳥を飼うことだって同じ。命の重さとそれを背負う責任について、今一度認識できる一作です。

『マダガスカル』

Packaging Design (C) 2018 Universal Studios. All Rights Reserved.

「人間がいなくなった動物園はどうなっているのか」。これは動物園ファンの一大関心事なのではないでしょうか。そんな気になる閉園時の施設を舞台に、動物たちの本音(あくまでも人間が考える本音ですが)に迫ったアニメーション作品が『マダガスカル』です。

ニューヨークはセントラルパーク動物園育ちの、“野性の王国”に憧れるシマウマと、彼の思いつきに巻き込まれたライオンとカバとキリンとが、騒動の末にマダガスカルに流れ着いてしまう物語。文明の中で育ち、大切に人間の手でケアされてきた都会派の彼らが、自然の中で見せるズレっぷりが笑いを誘います。汚いし、好物はないし、大好きな人間たちもいないジャングルで、「早くニューヨークに帰りたい」と泣いていたライオンが、空腹の末に肉食の野性に目覚め、大親友の草食動物シマウマのお尻にかぶり付いてしまうところなど、笑いながらもちょっと切なくなります。

どうなるかは観てのお楽しみ。種の違いなどものともせずに手を取り合い、危機を乗り越えようとする彼らの姿には、人間社会への大きなメッセージが潜んでいるのかもしれません。シリーズは『マダガスカル2』『マダガスカル3』と続き、スピンオフの『ペンギンズ FROM マガダスカル ザ・ムービー』まで制作されています。家族みんなでしばらく楽しめそうですね。

少しずつ、元の生活に戻りつつある日本では、動物園の再開も始まっています。ウイルスの感染リスクを低く抑えつつ、私たちを待ってくれている動物園のスタッフにも感謝しつつ、映画を観ながら、家族とそして友人たちと、動物園を揃って訪れる日を心待ちにすることといたしましょう!

■『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』
セルBlu-ray:4,800円+税
セルDVD:3,800円+税
発売元:ファントム・フィルム
販売元:TCエンタテインメント

■『幸せへのキセキ』
ウォルト・ディズニー・ジャパン
発売中
希望小売価格 2,381円+税

■『マダガスカル』
Blu-ray: 1,886円+税
DVD:1,429円+税
発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
(2020年6月の情報です)

《牧口じゅん》

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