新型コロナウイルス感染症拡大防止のため休園していた上野動物園（東京都台東区）は、6月23日に再開園した。なお、当面の間は開園時間の短縮とともに、整理券予約システムによって1日の入園者数を制限するとしている。
入園時には、整理券と入場券が必要
整理券は、専用のフォームから事前に申し込みする必要がある。毎週火曜日午前9時に、翌週の月曜日から日曜日まで（休園日を除く）の受付が開始され、15分ごとに分かれた入園時間が表示されるため、希望の入園日を選んで予約を行う。受付は先着順となっており、入園希望日につき申し込みは1回のみ可能とのこと（申込者を含めて5名まで）。なお、インターネット利用できない場合は、電話での申し込みも可能だ。
来園当日は、予約した整理券とは別に、入場券も必要。予約日時に整理券確認所にて、全員分の整理券とともに代表者が身分証を提示し、その後、入場券販売所にて入場券を購入もしくは年間パスポートを提示。来園するためにはこの手順が必要になる。
恩賜上野動物園・園長の福田豊氏は「再開園の後も、新型コロナウイルスの感染リスクがなくなったわけではありません。当面の間、“3つの密”が生じないよう、“新しい動物園の楽しみ方”を皆様にお願いしなければなりません。ご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いします」としている。
ジャイアントパンダ「シャンシャン」3歳の誕生日をお祝い
同園にて暮らすジャイアントパンダの「シャンシャン」は、6月12日に3歳の誕生日を迎えた。それを記念して同園では、6月8日に少し早い誕生日ケーキをプレゼント。その様子は現在、動画にて配信されている。
ケーキは飼育係特製とのことで、竹・リンゴ・ニンジン・パンダ団子の他、野菜ジュースや果物ジュースで色付けされた丸氷が、氷の器に盛り付けられている。動画では、ケーキまで一直線に進み、ムシャムシャとケーキを食べるシャンシャンの様子を見ることができる。
また、生まれた時から現在までの成長を振り返る動画も公開されている。動画は、体重編、エサ編、ウンコ編の3本と、成長したシャンシャンのこれからについての計4本。
体重編では、生まれたてのシャンシャンの体重0.147kgと1歳の時の体重を比較。1歳のシャンシャンは29kgで、なんと生まれたてのシャンシャンの約197頭分に成長。その後、2歳、3歳、お母さん、身近にあるものとの比較をしていく。
エサ編では、お母さんにつかまってミルクを飲んでいる姿から、リンゴ、竹を食べるようになり、大人へと成長していく姿が映し出されている。
ウンコ編では、ミルクを飲んでいた時に出たミルク糞から、竹を食べるようになってから出た竹糞へと変わっていく様子、また、排泄量の変化が伝えられている。
いずれの動画も、生まれた時から現在まですくすくと成長しているシャンシャンの様子がよくわかる内容だ。
シャンシャンは、今年12月31日までに中国へ返還されることが決まっている。成長したシャンシャンのこれからについて伝える動画では、なぜ中国へ行くのかを説明。「野生のパンダを絶滅の脅威から守り、次世代に残していくことが、私たちの取り組みの大きなゴール」だとしている。
・恩賜上野動物園・教育普及課長 杉野隆氏のコメント
「おかげさまで、シャンシャンは3歳になりました。臨時休園中も、良く食べ、良く運動し、とても元気に過ごしていました。6月5日の測定では体重が81.4kgとなり、順調に成長しています。今年の誕生日のお祝いは上野動物園のホームページなどを使い、スマートフォンやパソコンなどからいつでも、どこからでも参加できるイベントを企画しました。引き続きシャンシャンの成長を温かく見守っていただければ幸いです。」
「パンダアクション」企画に多くの投稿
さらに同園では、減少している野生のジャイアントパンダがこれからも元気で暮らせるよう、どのような行動を起こすかという「パンダアクション」の募集結果も発表した。
募集期間は、6月12日から14日までと短い期間だったにも関わらず、527件もの「パンダアクション」が投稿されたという。投稿内容の一部は同園のHPにて掲載中しており、「たとえ小さな取組みでも、日本にたくさんいるジャイアントパンダを好きな方ひとりひとりの行動が変われば、大きな変化につながります」としている。
＜画像：（公財）東京動物園協会提供＞
