動物のリアルを伝えるWebメディア

どんな世界が見えているの? 犬の視覚と気をつけたいトラブル

犬(イメージ)
  • 犬(イメージ)
  • 犬(イメージ)
  • 犬(イメージ)
  • 犬(イメージ)

愛犬と出かける公園やドッグラン。たくさんの植物に木々、お友達たちで賑やかですよね。きっと愛犬もこの色鮮やかな世界を楽しんでくれているはず! と思いたいところですが、実はワンちゃんと私たち人間が見ている世界は少し違います。そこで今回はワンちゃんが見ている世界や、目のトラブルについてご紹介します。

犬が認識できる色は何色?

以前は、ワンちゃんは白黒の世界で生きているのでは? と言われていました。しかし、近年の研究で2種類の色を識別できることがわかっています。その色とは「赤、オレンジ、黄色、緑」と「青、紫」の2グループ。それぞれのグループは1つの色調として認識され、色の区別はつきません。ですから、緑色の芝生の上では青や紫のボールを使うと色の違いが認識できるため愛犬もぐっと遊びやすくなりますよ。

視力はどれくらい?

ワンちゃん達の視力は意外と低く0.2~0.3程度と言われています。基本的に視界はぼやけている状態です。狩猟犬として活躍するような犬種であってもその視力の程度は同等です。あくまでワンちゃん達は鋭い嗅覚や敏感な聴覚を使い、視力の悪さを感じさせないほど俊敏、かつ的確に動くことができているのです。

犬(イメージ)犬(イメージ)

歳を取ったら見えなくなるの?

人間にもあるように、年齢を重ねることで老眼など視力の低下は起こるのでしょうか? 答えはYES。ただし正確には、ワンちゃん達に老眼という診断名は存在していません。ほとんどの場合、白内障など加齢を起因とした眼科疾患を発症し、それに伴い視力が低下、もしくは消失します。

動物病院でワンちゃんの視力の有無を確認するときは、ティッシュやタオルなどを顔の前で動かしたり落としたりして、顔がついてくるかどうか、慣れない場所でも柱などにぶつからず歩けるかどうか、などで判断します。老齢による白内障の場合は進行を緩やかにする点眼薬などで治療を行いますが、若齢の場合には白内障手術を行うケースもあります。

気を付けたい眼球トラブル

人間に比べ眼球が突出しているワンちゃん達は、眼球トラブルも非常に多いので要注意です。日常生活においても、柱や家具に顔をぶつけた際に目を傷つけてしまうことがあります。また緑内障や眼房出血、重度の結膜炎など、放置すれば失明に至る眼科疾患も存在しています。こういった眼球トラブルはできるだけ初期のうちに治療することが望ましいため、普段と違う様子があったら速やかに動物病院にかかりましょう。

目ヤニやウインクのような瞬きをする、顔周りを床にこすりつける、涙の量が多い、などは特に注意して見てあげましょう。普段の生活圏内で転ぶ、ぶつかる、などが見られる場合も視力低下の可能性がありますのでフォローしてあげてくださいね。

犬(イメージ)犬(イメージ)

人間に比べ視界は悪いですが、これは生まれつきのもの。決して本人たちが不便を感じているわけではありません。また眼疾患が多い動物のため失明したワンちゃん達も多く見てきましたが、元々さほど視力に頼っているわけではないこともあり、多くの場合今まで通り生活ができています! とはいえ結膜炎など痛みを伴う疾患もありますから、しっかりアイコンタクトを取り愛犬の瞳を守ってあげましょう。

《吉田つぐみ》

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top