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うちの子は大丈夫? 猫のデンタルケアと口内疾患

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ワンちゃんに比べ歯石沈着のイメージが強くない猫ちゃん達ですが、実は少なからず歯石が蓄積しています。加齢と共に蓄積してしまうのは仕方がないことですが、歯石のせいで重度の歯周病や口内炎を発症してしまう子もいます。

なかなか歯磨きをするのが難しい猫ちゃん。どのようにデンタルケアを行えばいいのでしょうか? 今回は猫ちゃんのデンタルケアや気を付けたい口内疾患についてご紹介します。

猫の歯石が付く理由

猫は元来肉食動物です。肉を食いちぎるような食べ方、そしてあまり咀嚼をしないことも重なり犬よりは歯石の沈着が軽度であることが多いようです。ただし、現在飼育される猫ちゃんの多くは生肉ではなく市販のキャットフードや猫缶を食べていますよね。主食が変化したことにより歯石沈着しやすくもなってきています。3歳を超えた猫ちゃんの多くは歯石沈着、及び歯周病を持っていると言われ、シニア期に入るころには重症化しているケースも多々あります。

デンタルケアの重要性

口内トラブルを回避するためには、まず歯石を沈着させないことが重要です。歯石とは、食事のカスとお口の中のカルシウムなどの成分が結合し石化したものです。一度歯石になってしまうと歯ブラシで落とすことはできず、麻酔下での歯石取りを行うしかなくなってしまいます。特にシニア期に口内トラブルが重症化してしまった場合、老体に麻酔をかけること自体が大きな負担になってしまいます。日頃のデンタルケアは、将来の病気予防のために非常に有効です。

おすすめのデンタルケアやその頻度

とはいっても、いきなり歯磨きをしようとしてもほとんどの猫が嫌がってしまうと思います。犬以上にお口の中を触られることを嫌う猫達。またその歯も鋭利で、飼い主さんがケガをしてしまう可能性もあります。子猫のうちであれば習慣づけてしまえば容易にできるようになりますが、成猫からスタートする場合には無理をせず少しずつ慣らしていきましょう。

おすすめはフレーバー付きの歯磨き粉やスプレーです。お魚味やチキン味などバリエーションも豊富ですから、気に入ってくれるものを見つけましょう。お口に触らせてくれるようになるまでは、歯磨き粉やスプレーを唇や前歯に塗るだけでOKです。猫ちゃん専用のデンタルケアグッズの多くは、製品自体に口内細菌のバランスを整えてくれる作用が配合されています。磨くことができなくてもお口に入りさえすれば、まずはワンステップ踏み出せたと言えます。

そこから少しずつガーゼなどを用いて歯磨きの練習を行っていきましょう。無理に歯ブラシを使わなくても大丈夫です。ガーゼや軍手など愛猫が受け入れてくれるものでケアしてあげてください。どうしてもお口が触れない場合には、飲み水に混ぜるタイプのケア用品もありますので検討してみましょう。なお歯垢が歯石になるまでの期間は2日~3日ほどです。少なくても2日に1回はデンタケアをしてあげたいところですね。

怖い口内疾患

猫の口内疾患には様々なものがありますが、その中でも特に多く見かけるのは、口内炎です。歯石だけが原因ではありませんが歯石沈着が進行し重度の歯肉炎、歯周病になっていると発症しやすく、猫も強い痛みを感じます。人間のように一か所のみではなくお口全体にできてしまうことが多く、その場合食事にも支障が出てしまいます。よだれが出る、食欲がない、口臭がきつい、顔を気にして引っかくなどの症状が出た時は、一度動物病院にかかりましょう。口内炎は主に抗生剤の内服薬で治療します。それでもが悪化してしまった場合は、全身麻酔をかけ全抜歯を行うこともあります。

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あまりお口の中を見る習慣はないかもしれませんが、リラックスしている時にチラリと覗いてみましょう。日頃のケアが愛猫の将来の健康を守ります。愛猫のお口の環境を大切にしてあげましょう。

《吉田つぐみ》

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