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ハイエナじゃないよ、3トーンの毛色が鮮やかなリカオン…富士サファリパーク

リカオン
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  • 転げまわるリカオン
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耳が大きく顎が発達したリカオンはハイエナに似ている。富士サファリパークのリカオンもよく間違われるそうだ。だが、赤(褐色)、黒、白の3色の毛色の模様は鮮やかで、とくに白毛の模様がアクセントとなり、なかなかおしゃれだ。

巧みなチームワークで狙った獲物は逃さない

だが、そのハンティングは苛烈だ。巧みなチームワークで狙った獲物を群れから孤立させ、一番槍がくらいついたら、仲間が一気に襲い掛かる。狩りの成功率は捕食動物の中でもトップクラスの80%と言われている。文字通り狙った獲物は逃さない。獲物をしとめてから食べるのではなく襲いながら食べ始めるので、残忍なハンターとしての一面もある。

しかし、仲間の結束は強く、群れの子どもを大事にする。狩りのあと、大人たちが群れに戻って最初にえさを吐き戻すのは、子どもに食事を与えるためだ。子守やケガなどで狩りに出られない仲間に対しても同様に行う。

群れは強いメスを中心に構成

リカオンは、通常、アルファとパートナーを中心に10頭前後の群れ(パック)を作る。アルファはオスでも、オスの選択権はメスにありパックは実質強いメスを中心に構成される。富士サファリパークでは8頭のリカオンが飼育されているが、メス同士の相性があまりよくないため、4つのグループに分かれているそうだ。

イヌ科の動物の場合、飼育員が群れのアルファ(リーダー)に位置付けられることがある。ここではどうかとリカオンの飼育員に訊いてみると、「たぶん群れの一員とは認識されていないのでは?」と謙遜した様子。しかし、一般の見学コースで取材を受けている飼育員を発見したリカオンがガラス越しにこちらに寄ってきて、耳を寝かせて口をあける動作を見せた。飼育員を認識して挨拶または遊んでくれという合図を送っていたようにも見える。少なくとも仲間とは思っているように感じられた。

《中尾真二》

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