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「日本自然保護大賞2021」授賞者が決定…3月13日14時より授賞記念シンポジウム開催

「日本自然保護大賞2021」授賞者決定
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日本自然保護協会は、自然保護と生物多様性保全に大きく貢献する取り組みに対し、その成果と尽力を表彰する「日本自然保護大賞」の2020年度授賞者を決定した。

日本自然保護協会は、「自然保護憲章」制定40周年にあたる2014年に、日本の自然保護と生物多様性の保全に大きく貢献した取り組みを表彰する「日本自然保護大賞」を創設。同賞では、地域性、継続性、専門性、先進性、協働の観点から、生物・生態系の研究、自然保護の実践、環境教育の推進などの優れた活動に賞を贈っている。

第7回となる今年度は、SDGsや生物文化多様性への関心や行動の高まりなどを踏まえながら、幅広いジャンルから募集し、全国各地から129件(保護実践部門54件、教育普及部門45件、子ども・学生部門30件)の応募があった。

いずれも熱意にあふれた意義ある活動ばかりだったとのことだが、活動の将来性や社会への波及性などに注目して慎重に審議した結果、大賞3部門につき各1件のほか、特別賞として沼田眞賞1件、選考委員特別賞2件への授賞が決定した。また、20の活動が入選となった。

保護実践部門の大賞は、「天草における長期的かつ総合的な自然環境保全活動」(吉崎 和美氏)が受賞。天草の干潟の多様な生物相を文字通り丸ごと調査し、保全活動や開発問題に対し保護運動などの取り組みを精力的に継続。2018年には『天草のカニ類写真図鑑』を自費出版し、地元の小・中・高校に寄贈している。

教育普及部門での大賞は、「トンボ100大作戦~滋賀のトンボを救え!」(生物多様性びわ湖ネットワーク)が受賞。滋賀県に拠点を持つ異業種の企業8社が連携し、県内で確認されている100種のトンボの調査・保全・情報発信に取り組み、専門家や地域団体との連携の輪を広げながら、一丸となって滋賀県の生物多様性保全に楽しく貢献している。

子ども・学生部門の大賞は、「兵庫県相生湾のカニたち ~ 僕らの住むまちのカニを知りたくて」(あいおいカニカニブラザーズ)が受賞。小学生の兄弟が6年ほど前から、ふるさと相生湾のカニの観察・調査に取り組み、見つけたカニは22科75種、その内3種は兵庫県初記録種。全ての出来事を書き留めた膨大な記録をもとに、活動の成果を学会や講演で活発に発表している。

受賞活動の詳細や、選考委員による講評などは同団体のサイトに掲載されている。

なお、3月13日14時より、授賞記念シンポジウムが開催され、YouTubeオンラインにて無料配信を行う。シンポジウムでは、受賞者が地域の自然に根ざした、新しい発想や多様な協働による活動の成果を発表する。(Zoom画面のライブ配信、無料公開、申込不要)

《鈴木まゆこ》

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