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【ズボラ女子とわがままウサギ vol.7】全然違う「けだま」と「けまり」…ウサギの性格について

ホーランドロップイヤーのけまり(まー様)
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「けだま」の残してくれた、飼育環境やウサギとの生活での注意点などの知識のおかげで、不安を感じることなくスタートした「けまり(まー様)」との新しい生活。驚いたのは全く別の生き物と言っても過言ではないレベルでの、性格の違いでした。

おっとりとしたウサギのイメージを一変させた「けまり」

けだまもけまりも、一緒に暮らし始めた時期は、どちらも生後2~3か月ぐらいの頃でした。出会ったお店も同じなので、多分、それまで暮らしてきた環境は大きく違わないと思います。暮らし始める前から分かっていた明確な違いは、性別と毛の色。けだまはチェスナットカラーの男の子で、けまりはチンチラカラーの女の子でした。

性格はどちらも甘えん坊でしたが、けだまはストレートな甘えん坊で、けまりはツンデレという印象です。

そんなけまりとの生活で一番困ったのは、噛み癖でした。いつ覚えたのかはわかりませんが、けまりは、嫌なことや気に入らないことがあればすぐに私に噛み付き、急いで逃げるというような、仕返しをするのです。

仕返しといってもウサギが本気で噛み付くと、彫刻刀の平刀で指を切ったレベルで出血するぐらい歯が強いので、本人的にはもちろん手加減はしてくれていたのですが、それでも噛み痕には青タンができ、友人などに手足を見られると、DVを受けているのではないかと心配されるほど、毎日生傷が絶えません。

しかも、噛まれた直後に私が痛がっていると、「やってしまった」というような表情で少し申し訳なさそうな仕草を見せるのですが、いくらしつけをしても、その噛み癖は直りませんでした。

もちろんけだまも私を噛むことはありましたが、それは牧草を補充している最中に食べるのを我慢できず、間違って私の手ごと噛んでしまったという事故的要素が強いもの。手加減のない分1回のダメージはけだまに噛まれた時の方が大きかったのですが、自分の意志ではありません。

これが、オス・メスの違いなのか、性格の違いなのかはわかりませんが、けまりとの生活は、そんな反抗期の跳ねっ返り娘との格闘の日々となりました。

放し飼いに大苦戦

ペットホテルに預けたり、災害などで避難をしたりする場合に、ケージに慣れていないとストレスになってしまうという理由から、あまり推奨されていないウサギの放し飼いですが、やはり日常的に、不自由な環境でつまらない毎日を送らせることは個人的に嫌だったので、けだまと同じくけまりも部屋での放し飼いをすることにしました。そこで、苦戦したのはトイレです。

ウサギのトイレのしつけは、まずは数か月間ケージの中で生活させて、だいたいケージの奥側の2つの角のどちらか一方でおしっこをし始めるので、そこにトイレを置くことで、毎回同じ場所でトイレでしてくれるようになるというもの。

それはけまりも例外ではなく、ケージの中ではきちんとトイレをしてくれたのですが、問題は部屋で自由にしていた時でした。構って欲しいタイミングで私が仕事に熱中していたりすると、私の嫌がる場所におしっこをするようになったのです。

けまりが、特に私への脅迫に利用するのはベッドの上で、まずは私にちょっかいを出し、それでも構ってくれないとベッドに上がり、じっとこちらを見つめます。そして、そのアピールに私が気付かないと、わざわざ私が怒る布団の上でおしっこをするのです。

最終的にそのトイレ問題は、毎日布団をしまい、ベッドの隅にトイレを置くことで解決し、無事放し飼いをすることに成功したのですが、ベッドにウサギ用のトイレを置くことに抵抗がある人が多いと思うので、一般的な解決方法とは言えないかもしれません。しかし、基本的にウサギは一定の場所でおしっこをし始めると、そこをトイレだと決めるようです。

初めて一緒に暮らしたウサギであるけだまの時も、ウサギの想像以上の自己主張の強さに驚きましたが、けまりの自己主張はけだまのそれを遥かに上回っていました。

グルーミングもさせてくれない…

これまでのコラムにも書いているように、ウサギは自分の毛で自分のお腹を詰まらせてしまい、「毛球症」や「うっ滞」を起こし、最悪の場合は死んでしまいます。

そのため、グルーミングは必須。特にホーランドロップイヤーは換毛期だけでなく、毎日のように大量にほわほわの柔らかい毛が抜けるので、一緒に暮らしていると、衣服や持ち物はすべて毛だらけ。コロコロぐらいでは、対応できないレベルです。そんな大量に抜ける毛を、毛づくろいをするたびに毎日飲み込ませていると、いつ、うっ滞が起きても不思議ではありません。

そんな心配を防ぐためにも、最低週1回、換毛期には週2~3回のグルーミングが必要となるのですが、けまりはどうしても、私にグルーミングをさせてくれませんでした。とは言っても、具合が悪くなると嫌なので、捕まえて何度かグルーミングに挑戦しましたが、私が油断した隙に思いっきり後ろ足で蹴ったり、噛みついたりするため、痛みで手を放してしまうと、変な体勢で床に着地することになってしまい、けまりの怪我も心配です。

ウサギの骨は人間で言う、骨粗鬆症の人ぐらいの密度しかないため、骨折をされては一大事。ですがうっ滞も心配なので、私は結局、毎週お店でグルーミングをしてもらっていました。

けだまもグルーミングは嫌いでしたが、抱っこをしてお腹側を上に向けられると大人しく諦めてくれていたため、やはりけまりは本当に気の強い子だと感じました。この気の強さが、私がけまりのことを「まー様」と呼んでいた理由でもあります。女王様気質のまー様との生活は、こうして始まったのです。

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《先川知香》

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