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【ズボラ女子とわがままウサギ vol.9】ニンジンはダメ!? ウサギに与える食べ物の重要性

ホーランドロップイヤーのけまり
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  • ウサギの盲腸便

前回、ウサギの主食をチモシーの1番狩りにすることの重要性をお話しましたが、食べ物の注意点は他にもあります。

ウサギはうんちを食べないと生きていけない動物!

ウサギは固いチモシーなどの主成分である繊維質で腸内を掃除しながら、盲腸でその繊維質をさらに細かくし、消化・吸収しやすくするために「盲腸便」を作ります。

この「盲腸便」を自分のお尻から直接食べることで、食べたものを体内で二巡させ、ビタミンとタンパク質など必要な栄養を摂取するのですが、この盲腸便を作るために盲腸内に生息する微生物の力を借りることになります。

そのため、ウサギにとって腸内環境はかなり重要。腸内細菌のバランスが崩れると、盲腸が異常発酵を起こすなど、さまざまなトラブルが発生し、十分な栄養素を摂取することができなくなってしまうのです。

そこで気を付けてほしいのは、腸内で異常発酵を起こしやすい穀類を避けること。一般的に小動物用のおやつとして売られているえん麦やクッキーのほか、イモ類やパンなど、炭水化物の多い食べ物は、過剰に与えないことをおすすめします。

盲腸便を食べ残している場合は要注意

私もこの事実を知らずに、「けまり」が大好きだった、えん麦や焼き芋をおやつにあげてしまっていたのですが、ある日、盲腸便が多くケージに落ちているのを発見。うさぎは基本的に、お尻に直接口を付けて盲腸便を食べるので、飼い主が目にすることは、ほとんどありません。そんな盲腸便がたくさん落ちているだけでも、何らかの問題が考えられますが、その後、普段目にするコロコロのうんちも激減し、見る見る元気がなくなっていきました。

不調の原因は、これまで何度もお話ししたウサギの不調No.1ともいえる「鬱滞(うったい)」だったのですが、この鬱滞になった原因として腸内の異常発酵が考えられ、作られた盲腸便が美味しくないなどの理由で盲腸便を食べ残していた可能性があると、病院で教えられました。

他にもおやつなど、チモシー以外の食べ物をあげ過ぎたことにより栄養過多となって盲腸便を食べ残す場合や、腸内の異常発酵によって発生したガスが溜まり、お腹の動きが悪くなったことによる食欲不振など、様々な原因があるとのこと。

盲腸便には腸内の微生物やタンパク質、ビタミンB群やビタミンKなど、ウサギに必要な成分が大量に含まれているため、健康な盲腸便が食べられないと栄養が不足し、免疫力が低下してしまうそう。盲腸便を食べ残している場合は、食生活を見直したり、病院に相談することをおすすめします。

また、肥満でお尻に口が届かないなど、物理的に盲腸便を食べられない場合も、盲腸便を食べ残す原因となるので注意してください。

ちなみに、ウサギの大好物というイメージが強いニンジンは糖質が多く、肥満の原因となるので、あまり与えない方が良いそう。果物も同様です。

私は、これらの経験から、現在の愛ウサギ「ゴジラ」の主食はチモシーの1番狩りとウィートヘイなどの美味しい牧草を食べ放題。そこにグルテンフリーのペレットフードを体重の3%と、乾燥マンゴーやビワの葉などのおやつを適量与えています。

盲腸便を見つけたら掃除はマメに!

コロコロとしたチョコボールのような丸っこいうんちをするイメージが強いウサギですが、盲腸便は柔らかめ。小さなしっとりとした丸いうんちが、ブドウの房のように連なっています。

そのため、臭いがキツイだけでなく、潰れるとウサギの毛に絡みつき、洗わないとキレイに取れません。しかしウサギには汗腺がなく、温度調節が苦手なため、お風呂には入れない方が良いと言われています。

大事な愛ウサギの衛生面のためにも、盲腸便を見つけたらすぐに取り除くことがおすすめです。

先川知香:モータージャーナリストとして全国各地を駆け回る、乗り物が大好きな干物系女子。ウサギの「けだま」と出会ったことをきっかけにウサギの魅力に夢中になり、現在は3代目愛ウサギの「ゴジラ」と同居中。

(※この記事の写真には盲腸便のカットも含まれます)

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《先川知香》

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