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犬の腰痛はこんなに危険! 痛みのサインや対処方法は?

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ちょっとした動作やタイミングでグキッと痛む腰、腰痛持ちだと不便なことも多いですよね。かくいう筆者も動物看護師という職業柄、腰痛とは切っても切れない関係です。ただ、人間であれば痛み止めやコルセットを使って緩和することができますし、安静にしつつ様子を見ていたらよくなった! なんてことも多いですよね。

ですがワンちゃん達にはこの「安静」がとっても難しいことだったりします。ワンちゃん達は他の動物に比べ椎間板疾患を発症しやすいとされています。特にダックスフンドなど胴が長いワンちゃん達は発症に大きく関わる遺伝子を持っていることが多く、若くても注意が必要です。そこで今回は、ワンちゃんの腰痛サインや適切な対処方法などについてまとめました。

こんな動作は危険サイン!

動物病院で勤務しているとこんな症状をよく耳にします。

・元気がなく、動きたがらない
・手であげれば食べるが自分からはご飯を食べない
・段差を登れなくなった
・抱き上げたときにキャン!と鳴いた
・震えている
・散歩好きのはずが行きたがらない

もちろんこれだけでは断定できませんが、どれも腰痛を感じた犬によく見られる症状です。犬の椎間板疾患にはいくつかのグレードがありますが、一番低グレードの状態でもこういった症状が見られます。このような症状が見られたときは無理に動かさずケージや抱っこで動きを制限しつつ動物病院に向かいましょう。

腰痛が出やすいタイミングとは?

肥満や犬種など腰痛が出やすい体質のワンちゃんがいる一方で、気温や気圧でも腰痛が出やすいタイミング、というものがあります。人間でも寒い日や雨の日に関節痛や頭痛を感じる方がいらっしゃるかと思いますが、実は犬も同じです。気象変動が大きくなると自律神経が過剰に働いてしまい痛みを感じやすくなってしまいます。

また気圧が下がった時には血管が膨張し血流が悪くなるため全身的なだるさや不調にいつも以上にデリケートな状態となります。元々腰痛持ちの犬はもちろんのこと、好発犬種やシニア犬も注意して過ごしたい日と言えるでしょう。

腰痛サインが出ていたらこう対処しよう!

もし腰痛サインが見られたらまずは動物病院にかかります。グレードが低い状態でも強い痛みを感じる椎間板疾患は、注射や内服薬で痛み止めを使ってあげると本人もとても楽になります。また放置してしまうとグレードが上がり、歩行困難などさらに重篤な症状が出てしまうことも。

動物病院にかかったあとは自宅でのケアになります。特に注意したいのはこちらのポイント!

・抱っこの仕方に注意する
腰に負担がかからないよう前肢の間から手を入れお腹を支えてあげます。もう片方の手はお尻全体に回ししっかりと支えてあげましょう。前脇に両手を入れぶら下げるような抱っこはNGです。

・段差は無くし、床は滑りにくいよう工夫する
普段はすいすい登る階段やソファであってもできるだけ避け、どうしても登りたがる時は低い段差の階段を作る、または抱っこして乗せてあげてください。滑りやすいフローリングは腰痛の大敵です。カーペットを敷く、足裏の毛を刈ってあげるなどの工夫をしてあげるといいでしょう。

・可能ならケージレストしてあげる
動物病院ではよくケージレストといって犬舎のお部屋の中で生活してもらう治療を行います。動きが制限されることで強制的に安静状態を作ることができるためです。おうちでもサークルがあればケージレストは可能です。多頭飼いの場合は他の子を気にすることなく休むことができますよね。ただし、抱っこしてほしい、遊びたい、など出してほしいあまりにピョンピョン飛び跳ねたり、吠え続けてしまうようなら逆効果!愛犬の様子をみて無理のない範囲で行いましょう。

・激しい運動は控える
お散歩はトイレのみで切り上げましょう。痛み止めを使うことで元気いっぱいになり本人は遊びたがるかもしれませんが、ここでの過ごし方によってはぶり返してしまうことがあります。投薬が終わり獣医師からのGOサインが出るまではしばしの辛抱です!

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人間の腰痛は病院にかからないことの方が多いかと思いますが、ワンちゃんに腰痛サインが見られたときは速やかに治療を開始してあげましょう!

《吉田つぐみ》

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