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26歳になったパンダの「タンタン」、気になる現在の様子…神戸市立王子動物園

食事中のタンタン
  • 食事中のタンタン
  • ジュースを飲むタンタン
  • 健診を受けるタンタン
  • タイヤで遊ぶタンタン
  • ハズバンダリートレーニング
  • タンタン、2000年の来園時の様子
  • ジャイアントパンダの「タンタン」
  • ジャイアントパンダの「タンタン」

神戸市立王子動物園ジャイアントパンダ「タンタン」(メス)は、今年4月に心臓病の疑いがあるとされ、治療が続いているという。だが、容体は落ち着いているようで体調が悪くなければ園で見ることができる(土日は予約制)。気になる現在の様子を動物園に取材した。

国内で2番目のご長寿パンダ

タンタンは2000年に来園してからずっと神戸市立王子動物園の人気者として親しまれてきた。少し臆病な面があるが、温厚で頭も良いという。眠るときに手を顔におくのがクセだそうだ。座っているときに、なぜだか右手(たまに両手)でおなかをトントンと叩くという愛らしい姿も見せてくれる。動物園では竹・タケノコを主食にリンゴ・ブドウ・ナシ・モモ・人参・さとうきびなどをおやつにあげている。

2021年の9月には26歳の誕生日を迎え、簡単な誕生パーティーの様子が報道陣にも公開された。パンダの寿命はおよそ20年と言われている。ただしこれは野生下の標準的な数値であって、動物園や保護センターなどの飼育下ならもっと長生きすることが可能だ。飼育下の最高齢は38歳という記録もある。日本では和歌山のアドベンチャーワールドで飼育されている「エイメイ」(オス)が28歳で高齢記録を更新中だが、タンタンはそれに次ぐ長生きのパンダだ。

実は、タンタンは中国への返還が決まっている。だが、新型コロナ感染症のパンデミックによる制限やタンタンの体調により、いつになるかは「まったく未定の状態」(同園担当者)だという。

長生きの秘訣となるトレーニングとは

タンタンの年齢は、人間に換算すると70代を越えている。人間と同じで、さすがに加齢による問題を抱えるのは避けられない。タンタンは心臓病の疑いがあるとして4月から投薬などの治療を行っている。容体が気になるところだが、スタッフの懸命な治療によって体調は保たれているそうだ。食欲が減ったり水が溜まったりといった症状も見られるが、年齢を考えるとある程度はやむを得ないものだ。

健診が増えることでストレスが増えないような配慮もしている。観覧もタンタンの体調優先で、時間を変更したり急に中止になったりすることもあるそうだが、タンタンの健康第一だ。

タンタンは、「ハズバンダリー」というトレーニングを受けている。ハズバンダリートレーニングとは、体重測定など健診や投薬がストレスにならないように行う訓練だ。健康管理や治療を嫌がって拒否するようだと、病気の治療もままならない。ハズバンダリートレーニングは、動物が飼育下で長生きする秘訣でもある。

ハズバンダリートレーニングハズバンダリートレーニング
◆日々の様子はHPやSNSで発信

タンタンの様子は、神戸市立王子動物園の公式ホームページ(ブログ)や公式ツイッターアカウントで適時にアップされている。そこには、療養中ながら、日々の生活の様子が写真とともにつづられている。タンタンは無病ではないものの「一病息災」で元気そうな姿を見せてくれている。

10月28日付けの公式ツイッターでは、休園日を利用してスタッフが作ってくれたケージのバーにあごと両手をうまく乗せてリラックスしている様子がアップされている。動物園で会えなくてもこうしてオンラインで会えるので、これからも暖かく見守っていきたい。

《中尾真二》

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