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アイペット損保、ペットのための防災対策に関する調査を実施…避難場所のペット可否情報「知らない」が約8割

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アイペット損害保険は、犬・猫飼育者の1041人を対象に、ペットのための防災対策に関するアンケート調査を実施し、結果を発表した。

今年で4回目となる同調査では、昨今、地震や台風、豪雨などの自然災害に加え、新型コロナウイルスが猛威を振るう中、新しい避難のあり方などについての課題が新たに調査されたほか、風化させることなく防災への基本的な理解や意識を高め、ペットのための防災対策をさらに考えていく必要性を改めて認識する結果となったとしている。

まず、「災害を想定して、ペットに関する防災対策を何かしているか」を尋ねたところ、何かしらの対策をしている飼い主は21.6%で、犬飼育者の回答では「「待て」や「おすわり」など基本的なしつけができている」、猫飼育者の回答では「普段からクレートやケージに入ることに慣れさせている」がトップとなった。

また、2020年の調査と比較すると、犬・猫飼育者ともに「ペット用の防災グッズを揃えている」「在宅避難ができるよう、家具やケージ固定、落下防止などペットのための防災対策によって自宅の環境を整えている」がそれぞれ大幅に増加した。

次に、「ペットのために現時点で備えている防災グッズ」を尋ねたところ、犬・猫飼育者ともに「フード(おやつ含む)・飲料水」が8割を超えた。次に多かったのは、犬飼育者は「リード」、猫飼育者は「トイレ用品(猫砂を含む)」という回答で、昨年と同様の回答となった。その他、自由回答では、「避難生活ができる車」「保存のきくフードなどの備蓄」などの声もあった。

続いて、「今後、今の備えに何を追加するか」との問いには、犬・猫飼育者ともに「フードや飲料水」がトップで、犬飼育者では「水のいらないシャンプーやブラシなどのケア用品」「寒さ対策用のブランケットや暑さ対策用の冷却マット」、猫飼育者では「避難先で使うトイレ用品(猫砂、排泄物を処理するためのビニール袋等)」「迷子になった時の写真・迷子札」という順で、ライフラインや避難することを意識した回答が上位を占めた。

「自宅から最寄りの避難場所がペットを連れて避難できるか」を尋ねたところ、「知らない」と回答した人が大半を占め、「知っている」と回答した人は23.7%にとどまった。なお、「知っている」と回答した人のうち約8割は、「最寄りの避難場所のペットの受入れ体制」について認知しており、「建物の中に一緒に入ることはできない」が半数以上となった。依然、避難場所のペットの受入れ体制について課題を感じる結果となった。

「ペットと一緒に避難生活を送ることを想定した場合、ペットに関する心配事」を尋ねたところ、犬・猫飼育者ともに「他人や他のペットとのトラブル」「慣れない場所でのトイレ」が上位で、昨年と同じ回答が並んだ。その他、自由回答でも、「吠えること」「鳴き声」「迷惑をかけること」など、周囲への配慮に関する心配事などが並んでおり、避難生活における心配事は、犬・猫飼育者共通だということがわかった。

続いて、「災害の発生時に、飼い主が飼養しているペットを同行し、指定緊急避難場所まで避難すること」という文章を提示し、それが「同行避難」「同伴避難」どちらに当たるかを尋ねたところ、正解の「同行避難」を選択した人は、昨年よりも3.9ポイント増の55.7%となり、認知・理解度はゆるやかな増加を示した。

「災害時ペットは飼い主との「同行避難」が原則とされていることを知っているか」の問いに対しては、昨年より1.8ポイント減となり、8割以上が「知らない」と回答。特に猫飼育者では、9割近くが「知らない」と回答しており、室内飼いが推奨される猫の避難については、「在宅避難」という選択肢への意識が高い可能性もうかがえた。

災害時の迷子対策として有効といわれているマイクロチップの装着有無についても尋ねたところ、装着率は全体で25.4%にとどまったが、昨年に比べ、犬・猫ともに5ポイント以上増加した。続いて、装着理由を尋ねたところ、犬・猫とも「装着されていたペットを迎え入れた」がトップで、昨年に比べ約8ポイント増加。現状のコロナ禍においては、旺盛なペット需要のもと、新たにペットを迎え入れた人も増えていると言われている。2022年の義務化施行(既に飼育している人は努力義務)を前に、販売元等での対応が進んでいることもうかがえる。

現状のコロナ禍において災害が発生した場合、避難所に多くの人が密集するリスクを回避するため、安全面に十分配慮した上で「分散避難」なども検討する必要がある。そこで、「避難所以外にもペットと一緒に避難できる避難先、ペットの預かり先は確保しているか」を尋ねたところ、確保していると回答した飼育者は、約15%にとどまった。

さらに確保先では、犬・猫ともにトップは「親戚・知人宅」で、続いて犬飼育者は「車中避難」「在宅避難」、猫飼育者は「在宅避難」「車中避難」「かかりつけの動物病院」の順となった。また、自由回答では、「仕事先」「ペット専用の避難場所」「テント」などもあった。

続いて、「避難所以外で、ペットと一緒に避難できる避難先や、ペットの預かり先について、今後どのような選択肢を検討するか」を尋ねたところ、犬・猫ともに「在宅避難」「車中避難」「親戚・知人宅」がトップ3に並んだ。その他、自由回答では、「愛護団体」「保護団体」「犬の訓練所」「別荘への疎開」などの候補も見受けられた。

平成30年に環境省が発行した「人とペットの災害対策ガイドライン」では、飼い主とペットが原則一緒に避難することが明示されている。

同社では、2019年10月に青森県と動物愛護に関する連携協定を締結。同県との取組みの中で、県内在住のペット飼育者が、災害時にペットと一緒に安全に避難するための避難所情報を共有するためのウェブコンテンツを公開している。マップ上では、「同伴避難OK」の避難所など、県内にある全ての避難所を確認することができる。

現在、各自治体のホームページなどでも、同様にペットと安全に避難するための情報整備などが進められており、改めて、万が一の時、大切なペットを守れるよう、行政が発信する情報に日頃から耳を傾けるとともに、有事の際にペットとどのような行動をとるべきかなどを考えておく必要があるといえるだろう。

また、2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、生活様式は大きく変化した。昨今の地震や台風、豪雨などの自然災害に加え、新型コロナウイルスが猛威を振るう中、新しい避難所のあり方も考える必要がでてきている。コロナ禍において災害が発生した場合、避難所に多くの人が密集するリスクを回避するため、地域の人たちと協力し、安全面に十分配慮した上で「分散避難」などが必要となる可能性もある。

そのためにも、「避難所」以外にもペットと一緒に避難できる避難先や、ペットの預かり先を確保しておくことも検討しておくとよいだろうとしている。

■調査概要
・調査対象:全国の犬・猫飼育者
・調査人数:男女1041人
・調査期間:2021年2月10日~2月18日
・調査方法:インターネットによるアンケートを実施

《鈴木まゆこ》

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