飼育数の多さでは2017年に犬を上回った猫。犬の飼育頭数が漸減傾向を示している一方で、右肩上がりに数が増え、2019年には日本全国で978万匹近くがペットとして暮らしている（一般社団法人ペットフード協会調べ）。
11月21・22日に愛知県常滑市で開催されたインターペット愛知では、猫用グッズの展示も見られた。
金属と樹脂の加工メーカーが作る猫専用品
大坂に本社を置く中西金属工業は、「キャットロード プラス」と呼ぶ猫専用商品を販売している。同社は、自動車などに使われるベアリングに必要な樹脂製品などの製造から始まり、窓とサッシの間に取り付けて開閉をスムーズにする「戸車」など住宅用の室内建具部品開発も手掛けている。これまで培った樹脂と金属加工に関するノウハウを活かして開発した製品を、猫用の「animacolle」ブランドで展開しているユニークな会社だ。
上下だけでなく左右の動きを提供
キャットタワーはよく知られている猫用製品だが、同社のキャットロードプラスは上下だけでなく猫が左右の動きも楽しめるように考えられている。壁に取り付けて使用する「キャットステップ」には、シンプルな白いタイプに加え3種類のパステルカラーを選ぶことができる。また、飼い主が下から肉球を眺められるように開発したという透明な「クリアステップ」と一回り大きい「ワイドステップ」も用意。飼い主の気持ちに寄り添った商品企画の姿勢が垣間見える。キャットタワーや家具、または複数のキャットステップを組み合わせれば、猫は室内でも色々な動きを楽しめるだろう。
猫の好奇心をくすぐるオプションも多数
シンプルなステップ以外にも、柱などの角に取り付ける「コーナーステップ」、ハンモック、好奇心をそそりそうなトンネルや階段状の「キャットラダー」、「キャットブリッジ」なども用意されている。また、ピンク、グレイ、ベージュが選べる「キャットハウス」は段ボール素材で作られており、中は爪とぎにも使えるという。バラエティに富んだ製品が揃っており、猫のストレスや運動不足解消に効果を発揮しそうだ。
また、シンプルで洗練されているため、自然とインテリアに溶け込めそうなデザインになっているのはうれしいポイント。さらに色や形状が豊富なオプションが用意されており、飼い主にとってもコーディネートの楽しみが広がるだろう。ステップの重さは約500グラムとのことで、高い場所への取り付けも簡単にできそうだ。
賃貸住宅でも安心
専用設計による取り付け金具は、充分な強度を確保しながらもステップなどのオプションがワンタッチで脱着できるように配慮されている。また、石膏ボード素材の壁であればDYIに慣れていない飼い主でも工具不要で簡単に設置することができるそうだ。さらに、取り付け場所には画鋲程度の穴がいくつか開くだけなので、メーカーは「補修材を使用すれば原状回復が可能で賃貸住宅でも使用できる」としている。金属と樹脂加工の経験を生かしたペット用製品に、ものづくりの深さと幅広さが感じられた。
