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アクアマリンふくしま、海洋プラスチックごみにより負傷したキタオットセイを保護

保護されたキタオットセイ
  • 保護されたキタオットセイ
  • 発見時の様子
  • 発見時の様子
  • アクアマリンふくしまに保護
  • アクアマリンふくしまに保護。職員が治療にあたる
  • 首にナイロンバンドが食い込んでいる
  • 痩せており衰弱していた
  • 首に食い込んでいた海洋プラスチックごみのナイロンバンド

アクアマリンふくしま(ふくしま海洋科学館)は、2月16日に福島県いわき市江名の江名漁港前にてキタオットセイを保護したと発表した。傷を負い衰弱しているため、現在バックヤードで治療にあたっている。

16日朝、江名漁港にあるボートショップより「ショップの前のテトラポットにオットセイがいる。首に何か巻き付いていて近づいても逃げない」との連絡を受け、職員が現場に向かった。衰弱し怪我もしていたため、保護が必要と判断。職員6名で捕獲作業にあたり、同館に保護した後は、首に巻き付いていたナイロン製のバンドを除去した。体重測定、血液検査なども行っている。

保護されたのはオスのキタオットセイで、年齢は不明だが若い個体だという。首に海洋プラスチックごみであるナイロンバンドが食い込んでいたため、首の周囲の皮膚が一周に渡り裂けてしまい、さらにその傷口が化膿している状態となっている。体長は約1m、体重は35kgとひどく痩せていて、脱水症状も見られるとのことだが、現在は抗生物質が効いてきたためかやや動きを見せるようになってきたそうだ。体力が回復した後に、海へ戻す予定。

キタオットセイは越冬のために南下し、毎年福島県沖でもその姿が見られるという。海洋プラスチックごみによる害を被った生き物を保護したのは今回が初めてとのことだが、同館ではこの問題を考えるべく、これまでも海岸清掃で収集した漂着物で作ったオブジェ“シーボーンアート”の展示等を行ってきた。担当者は、「本来海にないはずのものにより、罪のない生き物たちが今回のように被害を受けてしまうことがあります。少しでもゴミを減らし、ゴミはゴミ箱に捨てるようにするだけでも、そういった被害は減らせると思います。皆様にぜひご協力をお願いします」とコメントしている。

(※写真、動画には傷口の様子も含まれます)

《REANIMAL編集部》

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