動物のリアルを伝えるWebメディア

WWFなど12団体が「人と動物、生態系の健康はひとつ~ワンヘルス共同宣言」を発表

次なるコロナを防ぐため、12団体が「人と動物、生態系の健康はひとつ~ワンヘルス共同宣言」を発表
  • 次なるコロナを防ぐため、12団体が「人と動物、生態系の健康はひとつ~ワンヘルス共同宣言」を発表

世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)は1月15日、人と動物の医療や公衆衛生、環境保全に携わる機関・団体と共に、次なる新型コロナウイルス感染症を防ぐため、「人と動物、生態系の健康はひとつ、ワンヘルス共同宣言」を発表した。

COVID-19を含む新興感染症発生増加の背景には、森林破壊や農業の拡大といった環境破壊があると考えられている。環境破壊が進んだ過去50年間に、新たな人獣共通感染症(人と動物の共通感染症)の発生頻度も高まり、毎年3~4つの新興感染症の発生が確認されている。その多くが、自然破壊に伴い接触機会が増えた、野生動物に由来すると指摘されている。

同団体は、次のパンデミックを防止し、人や動物が健康に、そして自然と共に生きられる社会を実現していくためには、発生した感染症のワクチンを開発するだけでは十分ではないとしている。予防的アプローチである「人」「動物」「生態系」の健康をひとつと考え、これを守っていく、ワンヘルス(One Health)の実現が必要不可欠だという。

今回出された共同宣言では、12団体が、ワンヘルスの構成要素である3つの健康を守るため、それぞれの立場、分野の垣根を超えて、ワンヘルスにかかる課題や知見を共有し、次のパンデミックを防ぐために連携して取り組む意志を明らかにしている。

また、国や自治体、企業、団体、そして個人に宣言を周知し、賛同を募ることを通じて、日本における認知の拡大と取り組みの推進を図っていくとしている。

ワンヘルスの構成要素である3つの健康とは、「生態系の健康」「動物の健康」「人の健康」を指す。生態系の健康、そして動物の健康を守ることが、人の健康を守ることでもある、という事実を認識し、これら3つの健康をひとつの健康と捉え、守っていくとのこと。

なお、共同宣言を出した12団体は、以下団体。(五十音順)
国際自然保護連合日本委員会、世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)、東京都医師会、東京都獣医師会、日本医師会、日本自然保護協会、日本獣医師会、日本野鳥の会、日本ワンヘルスサイエンス学会、人と動物の共通感染症研究会、野生生物保全論研究会、リアル・コンサベーション

《鈴木まゆこ》

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top