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【青山尚暉のわんダフルカーライフ】愛犬とアウトドアを楽しむのに最適なクルマとは?

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コロナ禍の中、愛犬とお出かけするのに、アウトドア、キャンプを楽しむケースも増えているのではないだろうか。

今では、2021年の春にオープンした、ドッグファーストリゾートの「DOG DEPT GARDEN CAMP 安房白浜」のような愛犬同伴専門のキャンプ場もあり、密を避けた、新しい生活様式にふさわしい、プライベート感覚で楽しめる愛犬とのアウトドア、キャンプ体験がしやすくなっているのである。


過大な心配はいらない、キャンプ場へのアクセス

ところで、アウトドア、キャンプの初心者が陥りやすいのが、クルマは悪路にも強い、最低地上高に余裕ある、四輪駆動(AWD)のSUVが最適...という誤解である。たしかに今、SUV、クロスオーバーSUVが大人気で、アウトドアに似合うことから、これからアウトドア、キャンプライフを始めようとしている人にとって、クルマの選択肢の第一候補に挙がってもおかしくはない。

トヨタ RAV4

ソロでのアウトドア、キャンプなら、コンパクトSUVでもまったく問題なしである。むしろ、本格派をアピールするなら、スズキ『ジムニー』のようなクルマもいいかもしれない。

スズキ ジムニー

が、実はアウトドア、キャンプにSUVが不可欠、最強とも言えないのである。その理由はまず、日本の主なキャンプ場は、キャンプサイト周りはもちろん、アクセス路も整備され、最低地上高に余裕があるSUV、4WDでないとたどり着けない、なんてことはほとんどないからだ。筆者自身がよく訪れる那須高原のいくつかのキャンプ場も、たしかに幹線道路から狭い道に入るものの、一般的な乗用車でも問題なく走れる路面だ。サイト内も一部、ジャリ道はあっても、これまでの経験から、普通のセダン(最低地上高140mmの2WD)でもまったく問題なく走れたのである。ちなみに石がごろごろしている川辺のキャンプサイトの場合、環境への配慮と安全のために、クルマはキャンプサイトまで入れないのが普通である(クルマを駐車スペースに止めて、人と荷物だけキャンプサイトに移動する)。


そもそも、走破性に特化したSUV、4WDでないとたどり着けないような場所にキャンプ場を作ったとしたら、お客さんは限られ、商売として成り立たない。キャンプ場によっては売店や清潔なトイレ、シャワー、炊事場はもちろん、露天風呂や女性用のパウダールームまで完備しているところもあり、キャンプ場の多くは初心者でも気軽に楽しめるところが売りとなっているぐらいで、アクセスについても過大な心配は無用なのである。


キャンプの達人のクルマはミニバン!?

では、走破性は二の次として、愛犬とアウトドア、キャンプに出かけるのに、どんなクルマが理想的なのだろうか。その答えのひとつが、ミニバンである。

ホンダ オデッセイ
トヨタ ノア

その理由はまず、SUVよりはるかに大容量の荷物スペースがあることだ。家族や仲間2~4名+愛犬というフォーメーションでは、3列目席を格納することで、高さ方向にも余裕あるラゲッジスペースが出現。愛犬の乗車場所を確保した上で、SUVとは比較にならないほどのたくさんのアウトドア、キャンプ用品を、後方視界を確保しつつ(ここもポイント)積み込めるのである。

トヨタ VOXY
日産 セレナ

実際、三菱自動車が主催するスターキャンプを訪れてみても、キャンプの達人のクルマは、『アウトランダー』、電源車にもなる『アウトランダーPHEV』より『デリカD:5』が圧倒的に多かったりする。複数のデリカD:5オーナーにインタビューを試みたことがあるのだが、やはり荷物の収納力で選べば、ミニバン、デリカD:5になる、と断言していたぐらいである(走破性能の高さを含めて)。

三菱 デリカ D:5
三菱 デリカ D:5

悪天候で避難した時もより快適な車内

次なる、ミニバンがアウトドア、キャンプに適している理由だが、それは2列目席の使い勝手にある。山間部のキャンプ場では天候が変わりやすく、突然の大雨、突風にも警戒、対応しなくてはならない。そんな時、ミニバンであれば、2列目席をフルリクライニングしたり、フルフラットアレンジすることで、車内はベッドルーム、愛犬同伴のお座敷に変身。ゆったりと足を伸ばして天候が回復するまで仮眠、休憩することも可能になる。SUVでは後席をフルリクライニングすることはできず、車内避難の際の快適度が大きく異なるというわけだ。

日産 セレナ
ホンダ フリード

さらに、SUVより大きなボックス型ミニバンのバックドアは、開くことで大きなひさしにもなり、ラゲッジルームの後端に腰掛ければ、景色を楽しみながらの雨宿りも可能。3列目席を格納した広大なラゲッジスペースを、一時的な荷物の避難場所としても活用できる使い勝手の良さがある。


日産 セレナ

とはいえ、家族構成から、3列シートのミニバンまではいらない...ということもあるはずだ。そんなケースでは、2列シートながら、広大な室内空間、荷室空間を持つ、フランス車に多いMPVを選ぶのも手だ。シトロエン『ベルランゴ』には、1分で設置可能という純正ベッドが用意され、簡単に車中泊仕様にも変身させられるから、アウトドア、キャンプにも最適である。

シトロエン ベルランゴ
シトロエン ベルランゴ

あくまでテントを張ったアウトドア、キャンプとはいえ、こうした”保険的”(車内避難)にも使える、室内&荷室が大容量のミニバン、MPVで訪れれば、人も犬もより安心、快適なキャンプが楽しめるということではないだろうか。HVでAC100V/1500Wコンセントを備えていれば、サイトに電源がなくてもホットプレートやコーヒーメーカー、屋外照明なども使うことができ、最強である。


青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージングデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、ラジオ番組の出演、イベントも手がけ、愛犬との安心快適な自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動、自動車用ペットアクセサリーの企画・開発も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

《青山尚暉@レスポンス》

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