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冬眠明けのクマを専門家と探索、トレッキングツアー 「ツキノワグマウォッチング」開催…4月21日~28日

ピッキオ、「ツキノワグマウォッチング」を開催
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  • 500メートル先の対岸にいるクマ
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人とクマとの共存に取り組むピッキオは、4月21日から4月28日まで、クマの専門家と冬眠明けのクマを探索するトレッキングツアー「ツキノワグマウォッチング」を長野県軽井沢にて開催する。

森の中でツキノワグマを観察することは難しいが、葉が出る前の見通しの良いこの時期は、遠くから安全にクマを探すことができる。野生のクマと森に残されたクマの痕跡を観察する体験を通して、人とクマとの共存について考えるきっかけとなるツアーだという。

近年、人の居住地域に出没するクマの問題に関心が集まっているが、同社は、人とクマとの共存を目指し、1998年より調査研究に基づき被害防除や生息環境調査などの活動を行っている。20年以上にわたる活動から、クマには個性があり、1頭1頭の暮らし方に違いがあることを発見。市街地に現れて問題になるクマもいるが、ほとんどのクマは、人を避けるようにして森の中でひっそりと暮らしているのだそう。そのような森に暮らすクマを探すことを通じて、クマとの共存を考えるきっかけになることを願い、同ツアーを企画したという。

ツアーでは、ピッキオのクマの専門家と一緒に森に入り、野生のクマやその痕跡を探す。広い森をやみくもに歩いても、クマを見つけることはできない。しかし、ピッキオは、長年の調査により軽井沢のクマの生態を熟知しているため、彼らがよく利用している場所を特定することが可能。道なき道を進み、クマの爪跡や食事の痕跡、糞などを探す過程で、クマが本当に暮らしていることを実感できる。

クマを最も観察しやすいのは、クマが冬眠から目覚める早春のわずかな期間。木々の葉が茂る前のため、森の中の見通しがよく、新芽や地面に落ちたドングリを探して食べる様子を観察しやすいのだという。ツアーでは、人が近づけない斜面にいるクマを、谷を挟んだ対岸から双眼鏡や望遠鏡を使って探していく。クマと十分に距離を取るため、クマの自然な行動をじっくりと観察することができ、なおかつ、安全も確保することができる。

また、クマが暮らす森を歩きながら、軽井沢における人とクマとの共存をめざす取り組みについても紹介。クマには絶対に開けられない「野生動物対策ゴミ箱」の開発など、クマを殺さずに共存する取り組みが成果を上げている。1組限定のため、気になることを気兼ねなく専門家に質問をすることができる。森から戻った後は、ピッキオが日本で初めて導入した、クマ対策犬「ベアドッグ」とのふれあいの時間も設けられている。

観察機材には、対岸にいるクマを、より明瞭に、より仔細に観察するため「SWAROVSKI OPTIK(スワロフスキー・オプティック)」の望遠鏡と双眼鏡を導入。千載一遇のクマの観察チャンスを世界最高水準のクオリティーを誇る機材で楽しめる。

同社は、クマとの共存に向けた取り組みを長年続けてきた。クマは日本の陸上哺乳類の中で最大級の大きさであり、生態系の重要な位置を占める動物である。クマによる被害は解決しなければならない課題である一方で、同社は調査を通して、野生のクマの美しさや、日本の森に大型哺乳類が息づいていること、また、その命を支える森の豊かさに心を打たれてきたという。

SDGsへの意識が高まり、生物多様性にも注目が集まるようになってきた中、野生動物の姿に触れることで、日本の森や野生動物が置かれている現状に関心を持ってもらうきっかけになるようなツアーを、引き続き開催していくとしている。

■開催概要
・開催期間:4月21日~4月28日
・開催時間:8時半~16時
・料金:大人(中学生以上) 2万2000円(税込、昼食代・保険料・備品レンタル代含む)
・定員:1日1組(2人まで)
・予約:ピッキオ公式サイトにて5日前まで受付
・備考:天候により時間が変動する可能性あり、クマは野生動物のため、常に同じ場所にいるとは限らない、クマの状況や天候によっては観察できないこともある

《鈴木まゆこ》

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