日本介助犬協会は、介助犬の育成を行う全国初の宿泊施設を兼ね備えた専門訓練施設、介助犬総合訓練センター「シンシアの丘」(愛知県長久手市)の見学会を、新型コロナウイルス対策を講じ7月11日から再開する。
介助犬とは「落としたものを拾う」「携帯電話を探して持ってくる」など手足に障害のある人の生活をサポートすべく特別な訓練を積んだ、盲導犬や聴導犬と並ぶ補助犬の1つである。介助犬を必要としている人は1万5000人に上るとされているが、全国で62頭(2020年4月1日時点)しかおらず、普及が急務だ。
そうした介助犬の訓練を行う訓練センターでの見学会は、新型コロナウイルスの感染拡大によって会場内での人の密集や犬と触れ合う際の犬を介した接触感染のリスクが避けられないことから、2月を最後に中止していた。見学会のみならず外部イベントや講演、街頭募金活動なども中止又は延期となり、そうした活動を主な収入源にしていた協会の運営は厳しい状況にあるという。
再開へ向け検討を重ねた結果、定員を従来の半分まで制限し会場を常時換気、開催時間の短縮、介助犬使用者の映像出演等の対策を講じ、見学会を7月11日より再開する。中止となった4月の見学会を希望していた人を優先したため当日の定員は埋まっているが、介助犬とその育成現場について多くの人に知ってもらいたいという気持ちから、夏季期間中は申込状況を確認しながら通常の月一開催から平日も含め開催日を増やすことを検討しているという。