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アクアマリンふくしま、新種の深海魚を発見!「モユククサウオ」と命名…標本を館内で展示

アクアマリンふくしま、新種の深海魚を発見!「モユククサウオ」と命名
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アクアマリンふくしま(福島県いわき市)は、北海道知床にて新種の深海魚を発見。深海魚は「モユククサウオ」と命名され、7月16日、日本魚類学会英文誌オンライン版にて公表された。

今回発見されたモユククサウオは、クサウオ科フウライクサウオ属で、頭部から腹部にかけて赤色、尾部は暗色。430種以上いるクサウオ科の最大の特徴は腹吸盤があることだが、モユククサウオの属するフウライクサウオ属は、吸盤が痕跡しかないのが特徴。

京都大学の准教授甲斐嘉晃博士、アクアマリンふくしま、NOAA(米国海洋大気局)との共同研究によって、これまで知られていた3種のフウライクサウオ属とモユククサウオは、脊椎骨数の相違やDNA配列の相違によって別種であることが判明し、今回新種として公表された。

同館では、5月22日から6月10日までの約1ヶ月間、予備水槽で飼育を行っていた。現在は生存個体はいないとのことだが、「親潮アイスボックス」コーナーで貴重なアルコール標本を展示している。今後は、生体展示に向けて調査研究を続けていくとしている。

なお、「モユク」はアイヌ語で「タヌキ」を表す言葉で、タヌキが夜間に餌を探しながらフラフラと足跡を残すのと同じように、モユククサウオも吸盤が痕跡しかなく、暗い深海をユラユラと遊泳していることが名前の由来になっている。

《鈴木まゆこ》

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