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バイオーム、スマートフォンアプリを用いたロードキル調査を帯広畜産大と実施

バイオーム、スマートフォンアプリを用いたロードキル調査を帯広畜産大と実施
  • バイオーム、スマートフォンアプリを用いたロードキル調査を帯広畜産大と実施

バイオームは、帯広畜産大学の研究者と共同で、生き物コレクションアプリ「Biome(バイオーム)」を用いた「全国ロードキル調査」を9月1日より実施すると発表した。

同調査では、ロードキル(車両と野生動物の事故)の情報を収集・蓄積できるプラットフォーム開発を目指し、アプリを通じて全国から野生動物の事故に関する情報を収集するという。

ロードキルとは、車両と野生動物の接触により動物が死亡する事故のことで、交通インフラの発達とともに発生件数が増加している。しかし、大型動物との接触が大きな事故やニュースになる一方、小さな動物や市町村道等の小さな道路でのロードキルの多くは把握されておらず、また、ロードキルのデータがあっても活用されていないなどの問題もある。

日本ではイリオモテヤマネコやヤンバルクイナなど、希少な生き物が事故に遭うケースが跡をたたず、大型の動物では、車両との接触が大きな事故につながったり、死骸が道路に残ってしまうなど、自動車の走行の安全性や道路管理における問題も生じている。

また、イギリスでは、シカ類の事故数は年間4万2000から7万4000件、ロードキルによる経済損失は、年間2400から5000万ポンドにのぼるという報告が発表されている。同社によると、こうした試算は事故防止策の必要性を示す根拠として重要であり、その土台にはロードキル情報のデータベース化が欠がせないという。

そのため、人と野生動物の共存を模索するために、ロードキルの情報を収集・蓄積できる利便性の高いプラットフォームが必要だとしている。

そこで同社では、野生生物の保全・交通事故軽減のため、市民も活用できるビッグデータの収集システムを構築することを目的に、生き物コレクションアプリ「Biome」を用いた「全国ロードキル調査」を、9月1日から1年間実施する。

同調査では、レンジャーや研究者などロードキルに高い関心を持つ人から参加者を募り、アプリを通じてロードキルの画像、位置情報、状況などを投稿してもらうことで情報収集を図っていくとしている。

《鈴木まゆこ》

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