富士フイルムは、FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)写真歴史博物館にて、7月1日から9月30日まで、日本最初の野鳥生態写真家・下村兼史氏の作品展を開催する。
写真家下村兼史氏は、およそ100年前、日本で初めて野鳥の撮影に成功した。同氏は、日本における野鳥を主とした生物写真の先駆者であり、日本最初の野鳥生態写真家だ。野生生物を写真で記録する者が少なかった1920年代から30年代、同氏は、北は北千島から南は奄美大島、小笠原諸島を歴訪し、里山、離島、原野など、今日では変貌が著しい自然環境と、自然にあるがままの野生生物の姿を写真で記録した。
同展では、山階鳥類研究所の協力を得て、同研究所が所蔵する同氏のオリジナル・プリントを中心に約60点の作品を展示。2018年に東京で開催された展覧会より、新たに歴史的、作品的価値という視点から同氏の作品群を再構築した。
同社は、同氏の自然を愛する心、野鳥の一瞬を捉えようとする飽くなき情熱から生まれた傑作の数々は、便利さや手軽さと引き換えに失われてしまった写真表現の美しさをたたえ、現代に生きる私たちにその魅力を改めて気づかせてくれるものだとし、その卓越した撮影技術と、美しい野鳥生態写真の世界を堪能して欲しいとしている。