他の猫と同様、我が家の「うすちゃ」にもお気に入りの場所がいくつかある。その一つがなぜかプリンターの上だ。乗っかるのはいいのだが、うすちゃの体重は6キロ以上ある…。
猫のことも考えたDIYで問題解決
家庭用のインクジェットプリンターなので本体はプラスチック。さすがに6キロの重さがかかるとケースがゆがむのか、近頃プリンターの調子が悪くなってきた。開けていないのに「カバーが開いている」というエラーメッセージが表示されてしまう。
重さでカバーやふたのセンサーがずれてきたか本体がゆがんできたのかもしれない。さすがにこのままでは完全に壊れそうだったので、猫が乗れるプリンターのカバーというかケースを作ることにした。
プリンターに体重が直接かからなければよいので、上からかぶせるような箱があればOKだ。段ボールではたぶん強度が足りないし、うすちゃは段ボールをよくかじる。金属は冷たいといって乗らなくなるかもしれない。いや、プリンター保護にはむしろそれでいいのだが、「猫が乗れる」という要件は「ねこDIY」では譲れない。加工もしやすい木製にすることにした。
寸法はぴったりになりすぎないよう注意!
プリンタを置いているラックのスペースがあまりなかったので、寸法を測り、ほぼぴったりサイズの箱を作る。このときあまりぴったりにすると、のこぎりの刃厚や仕上げのサンダーの分、小さくなってしまう。今回、まさにこの失敗をしてしまった。一度組み上げてから両サイドの板をカンナで削るはめになった…。
最近の家庭用インクジェットプリンターは、スキャナーやコピー機能もついている。そのため上面はフラップになっており上に跳ね上がるようになっている。箱も上が開くように蝶番で留めるようにした。手前は用紙トレイと紙の排出口があるため、箱の前面はオープンとした。
天板は固定できないので両サイドの板は背面の板に固定されるだけで安定しない。そのため、底面に補強と固定のためのステーを取り付けた。底板をつけてもよかったのだが、最初に買った板では足りなかったので、前に購入したアルミのプレートを利用することに。固定は板の厚みに合わせた小さい木ネジ(Φ2.4mm)を利用した。底面をフラットにするため、横板はプレートの厚みでノミで切り込みを入れた。木ネジは頭が平たい平ネジとし、プレートは頭のサイズにあわせて「ざぐり」を入れる。
背面の穴はプリンターの電源コードなどを通す穴だ。写真ではわかりにくいが、天板内側の角に100均で買った小さいネオジム磁石埋め込み、横板に薄い鉄板を固定している。天板はいちおう磁石で固定される。
果たして上に乗ってくれるか…
出来上がったので、さっそくプリンターを入れてみる。天板は全面が開くので普段使いに影響はない。しかし、うすちゃが乗ってくれないと意味がない。神経質な猫だと、敷物が変わっても寄ってこなくなることがある。
が、うすちゃにそんな心配は要らなかった。さっそくの定位置に上がってまずは座り心地を確かめ、おもむろに伏せの体勢でくつろぎはじめた。気に入ってくれてなによりだ。
じつは、猫を飼うのに必要なスキルはDIYなのだ。いろいろな猫グッズや用品もあり、それはそれで便利だし楽しいが、「プリンターに猫が乗れるようにする」といったピンポイントなニーズには既製品の改造や手作り品の出番となる。
今回は木工だったが、もっと気軽に段ボールやペットボトルの流用、道具はカッターと接着剤くらいでも工夫次第でいろいろなものができる。そういったDIYをブログやYouTubeで紹介している人も少なくない。筆者もよく参考にしている。ホームセンターや100均グッズでオリジナルの猫グッズや用品をDIYするのもおすすめだ。