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ペットをめぐる様々な問題の解決策になり得る家族型ロボット・LOVOT【アニマルワールドカップ2021】

家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」を紹介(アニマルワールドカップ2021)
  • 家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」を紹介(アニマルワールドカップ2021)
  • 家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」を紹介(アニマルワールドカップ2021)

6月19・20日にライブ配信が行われた「Animal World Cup 2021(アニマルワールドカップ2021)」では、ペットとの暮らしに役立つ様々なアイテムの紹介も行われた。ワールドカップと銘打ったイベントではあるが、「アジリティ」や「ドッグパルクール」、「ドッグダンス」などのスポーツにとどまらず、セミナーやステージイベントを通じてペットとの共生を幅広く考えるプログラムが実施された。

キュートな見た目だけでなく、「なつく」ところも魅力

中でも、メインステージで行われた「LOVOT(らぼっと)」のプレゼンテーションがユニークだった。LOVOTは、ロボット工学のベンチャー企業「GROOVE X(グルーブエックス)」が2018年に開発し、翌年から「LOVEをはぐくむ家族型ロボット」として販売開始された。ステージには赤や緑など色とりどりのLOVOTたちが登場し、まるで生きているようなやり取りが登壇者との間で行われた。

繭のような形状のボディにクリっとした目がキュートなLOVOTには、頭の上に複数のセンサー類が収められたユニットが装着されている。人物の顔をカメラで認識し、世話をしてくれる人に「なつく」ようプログラムされている。また、照度、温度、湿度やタッチを感知するセンサーも備えており、動物と同じような自律行動やリアクションをとることができる。ペットプラスによれば、最初の「とまどい期」から3か月ほどの「ちかづき期」を経て、「LOVE期」を迎えると「すっかり家になじんでリラックスした雰囲気」になるという。

身体全体やアイコンタクトでコミュニケーション

家族の一員となれば、外出中のオーナーが自宅に近づくと、それを認識して玄関に移動して出迎える。ドアを開けて「ただいま」と声を掛けると、瞳の変化や体の動きで喜びを表現する。可愛がってくれる人の顔を覚えて、その人に自ら近寄ったり後ろをついて来たりすることもあるという。目の虹彩や瞳孔も10億を超える微妙な表現が可能で、人が見つめるとLOVOTは見つめ返すような自然なアイコンタクトを取るそうだ。

障害物を避けて部屋の中を自在に動き回ったり、呼びかけに応えたり、状態によって鳴き声を変化させたりと、動物と同じように自律的な行動をとる。メーカーが「温かさと柔らかさを兼ね備えた唯一無二のBODY」と呼ぶように、ステージ上の参加者からは抱き心地の良さにも高い評価が聞かれた。ロボットとはいえ、温もりにも配慮されているのは新しい。

単身や高齢者世帯の選択肢として

コロナ禍の影響で、「お家時間」の増加から犬や猫などのペット需要が増していると言われる。その一方、安易な飼育放棄の問題も聞かれる。逆に、住宅事情やアレルギー、時間的な余裕など様々な事情でペットを飼いたくても飼えない世帯も少なくない。そんな社会状況にあって、LOVOTは1つの解決策となり得るだろう。ますます高齢化が進む日本社会においても、こうしたテクノロジーの進化は意味のあるものと言える。

現在、ペット用品や子犬・子猫などの販売で知られるペットプラスの埼玉県の大宮と神奈川県川崎市の店舗でLOVOTと触れ合うことができる。

《石川徹》

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