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「仲間であり家族」「共生は当たり前」…養老孟司氏と森泉氏が、ペットと共生するヒントを語る【アニマルワールドカップ2021】

解剖学者の養老孟司氏とタレント森泉氏
  • 解剖学者の養老孟司氏とタレント森泉氏
  • 森泉氏
  • 解剖学者の養老孟司氏とタレント森泉氏による対談イベント(アニマルワールドカップ2021)
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コロナショックで行動変容の波のなかにいる今、人はペットとどう共生し、暮らしていくか。そんな問いに、解剖学者の養老孟司氏とタレント森泉氏が、「Animal World Cup 2021(アニマルワールドカップ2021)」の対談イベントでヒントをくれた。

「ペットは仲間であり家族」

「ペットは12種類23匹もいます。この中にメダカなどは入れていないんですけど、小さくても大切な命ですよね。うちにはワンちゃんやブタちゃん、鳥さんがいます。朝まず起きると、飼育員になるんです。それが毎日の幸せです」と最初に語り始めたのは森氏。

「ワンちゃんは6匹。それぞれ食べるものが違っていて、違う食事を作ってあげるんです。食べてくれる姿をみると、元気になりますよね。それから、次のワンちゃんがうちにやってきたら、こういう名前にしようとかも考えます。自然と、付けた名前のようなイメージの顔になっていくのも楽しいんですよ」

一方の養老氏の住まいでは、これまで一緒に暮らしていた猫の「まる」が他界してしまい、短く近況を伝えた。

「去年の暮れに『まる』が死んでしまって、今は猫がいないから、自分が家の周りを走っている。ほとんど置物のような動かない猫でした。最近はたまに訪れるカラスたちに語りかけている」

そんな養老氏の言葉に森氏は「一緒に暮らすペットは仲間であり家族であり、いないことが想像できない。小さいころからペットに支えてもらっていますし、今こうして支えあっていられるのが幸せですよね」と共感した。

2人にとって、ペットとの共生とは

続いて森氏が、今回の対談のテーマ「ペットとの共生」についてこう語る。

「共生というと難しく感じますけど、一緒にいないとだめってことですよね。人間だけの世界じゃないし、動物もいる世界。譲り合って思いやりを持って、お互いに幸せになれる時間をつくれればいいですよね」

養老氏も「そばに動物はいたほうがいいでしょうね。特に人間の方は、核家族化が著しいので、気持ちが安定するうえでも、動物と一緒に過ごしたほうがいい」と答えた。

ペットを飼う上で気をつけていることを問われると、森氏は「自分の身にいつなにが起こるかわからないので、自分が病気などになったら、ほかの誰かが面倒をみてくれる人を探しておきます。もちろん、そのペットを最後までみとどけますよ。でも、自分に何かあったときに、誰かに託せるようにしておきます」とコメント。

養老氏は「ペットと共生するときのポイントは、良いとか悪いとか、あらかじめ決めないこと。自然と慣れますから、もっともっと動物と付き合う機会を増やしたほうがいい。食わず嫌いってよくいうけれど、動物も付き合ってみないとわからないから」と話した。

「自分が思っているように世の中ができていない」を悟らせてくれる

動物のおかげで助かったり、励まされたりすることが多かったという森氏。「今はできる限りその動物たちに恩返しができたらいいと思っています。正解はわかりませんが、自分の中でできる限り、恩返しができたらいいなって思いますね」と動物たちへの思いを語る。

「ペットとの出会いは、運命ですね。うちには色々なルートで動物たちがやってきます。私からは選べない。それはめぐり合わせだなって思っています。こればっかりはご縁なので」(森泉氏)

一方、「今人間は、虫とかをちょっとしたことですぐに殺してしまうでしょ。邪魔もの扱いして虫などを駆除してしまう。そうではなく、『自分が思っているように世の中ができていない』ってことを、悟らせてくれるには、動物が一番いい」と話すのは養老氏。

そして最後に、ペットと人間の共生について、短い言葉でこう語った。

「当たり前だと思っています。ペットの共生は」(養老氏)

《大野雅人》

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