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一度は絶滅とされた幻の「アカハライモリ 渥美種族」、アクア・トト ぎふにて展示…3月中旬頃まで

アクア・トト ぎふ、一度は絶滅した幻の地方種族「アカハライモリ 渥美種族」を期間限定で展示
  • アクア・トト ぎふ、一度は絶滅した幻の地方種族「アカハライモリ 渥美種族」を期間限定で展示
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アクア・トト ぎふ(岐阜県各務原市)は、愛知県知多半島に生息するアカハライモリの個体群、渥美種族の展示を開始した。

アカハライモリは形態や行動の違いから、1960年代に発表された論文により6つの地方種族(東北、関東、渥美、中間、篠山、広島)が提唱された。それによると、渥美種族は愛知県渥美半島にのみ生息しているとされたが、その後この個体群は絶滅が確認された。

近年の研究により、知多半島に生息するものも渥美種族の特徴を持っていることが分かり、この個体群も渥美種族であるとされている。しかし、知多半島の個体群も絶滅の危機に瀕しており、愛知県レッドリストでは絶滅危惧IA類に指定されている。また、愛知県の条例により指定希少野生動植物種に指定されており、捕獲等が禁止されている。

現在、渥美種族は愛知教育大学准教授の島田知彦博士が中心となり調査研究、保全活動が行われている。同館では2017年より飼育を開始、生息域外保全(生息地以外での集団の維持管理)として飼育・繁殖に取り組んでいる。

同館は、渥美種族の展示を通じ、同じ種類の生き物であっても地域差があることや、生息数が減りつつある現実を知ってもらいたいとしている。なお、隣の水槽では岐阜県産のアカハライモリ(中間種族)が展示されており、形態の特徴を見比べることができるようになっている。

■展示概要
期間:展示中~3月中旬頃(予定)
料金:入館料のみ
場所:館内3階「水田や用水路の生き物水槽」前
展示数:成体3匹、幼体10匹

《鈴木まゆこ》

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