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日本盲導犬協会が夏休みの自由研究をサポート、YouTubeで動画公開…8月27日18時まで

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盲導犬の育成と視覚障がい者向けリハビリテーション活動に取り組む日本盲導犬協会では、動画で子どもたちへの情報提供を行っている。

現在、「2021年度 夏休み自由研究プロジェクト~オンライン版~」と題した動画がYouTubeで公開されている。自由研究に役立つ情報が盛りだくさんのムービーを視聴して、盲導犬や社会福祉について勉強するのも良いだろう。

◆褒められて学ぶ盲導犬

「盲導犬の一生&訓練について」という1本目の動画では、盲導犬候補の若い犬が軽い足取りで楽しそうに学んでいる様子を観ることができる。同協会が大切にしている、褒めて学ばせる教育手法が良く理解できるだろう。犬もヒトも楽しみながら学習する方法は、一般の愛犬家はもちろん、人間の子育てや企業における部下の育成などにおいても参考になる点は多いと思われる。(盲導犬の教育についてはこちらの記事 を参照)

◆視覚障がい者への配慮

2本目は、「視覚障害と盲導犬ユーザーについて」と題した動画。街で白杖を持ったり盲導犬を連れたりした人を見かけた場合の声の掛け方や、お手伝いの方法などを解説している。実際の盲導犬ユーザーも登場し、盲導犬が生活の幅や楽しみを広げているエピソードも紹介されている。また、視覚障がいのなかで約9割を占める「弱視(=目の見えにくい人)」の見え方を、ビデオで再現するなど、分かりやすい内容となっているのが印象的だ。

◆神奈川訓練センターでは視覚障がい者向けの歩行訓練も実施

3本目は日本に4か所ある日本盲導犬協会の施設を紹介している。それぞれの場所で、どんな活動が行われているのかを知ることができる。横浜市にある「神奈川訓練センター」では、盲導犬の教育だけでなく、視覚障がい者を対象に白杖を持って歩く訓練も行っている。また、訓練センター内部で候補犬たちが生活している様子も観ることができる。

◆仙台と静岡ではそれぞれの特色に応じた取り組み

宮城県の仙台訓練センターでは、冬に雪道を歩く訓練が行われる。雪が積もると車道と歩道の区別が難しくなり、目が見えても危険な場合がある。ユーザーと盲導犬の安全のためには、とても重要なトレーニングだろう。

静岡県富士宮市には、「盲導犬の里 富士ハーネス」の名で親しまれている日本盲導犬総合センターがある。ここでは、広い敷地を活かして誕生から引退後まで盲導犬の一生をケアしている。また一般開放もされており、多くの人に盲導犬を知ってもらう情報発信拠点としての役割もある。

◆島根県にある中国・四国地方唯一の訓練施設

島根あさひ訓練センターは、中国・四国地方唯一の盲導犬訓練施設として重要な役割を担っている。ここで行っている「島根あさひ盲導犬パピープロジェクト」は、ユニークな取り組みといえる。隣接する「島根あさひ社会復帰支援センター」と協力のもと、受刑者が地域のボランティアなどと力を合わせて盲導犬候補の子犬を育てている。また、盲導犬や視覚障がいに関する理解促進のため、学校や企業を訪問する活動も行っている。




このように、日本盲導犬協会では盲導犬の育成以外にも幅広い取り組みを行っている。夏休み自由研究プロジェクトの動画は、8月27日18時まで同協会のYouTubeチャンネルで視聴可能。目の見えない人・見えにくい人と盲導犬が笑顔で歩ける社会作りに向けた活動を、夏休みに勉強してみてはどうだろうか。子どもだけでなく、家族全員に得るものがありそうだ。
《石川徹》

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