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世界最大級のセイウチの全身骨格標本を公開、22年1月まで特別レクチャーなども実施…鴨川シーワールド

世界最大級のセイウチの全身骨格標本公開
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鴨川シーワールド(千葉県鴨川市)は、2021年12月10日より、ロッキーワールド地階特設会場にて、世界的にも貴重なセイウチの全身骨格標本(オス・成獣)の展示を開始する。

同標本は、セイウチの生態や形態について、より深い知識を得るきっかけとなることを目的として作製された。現在国内で展示されているセイウチの全身骨格標本は、いずれも幼獣やメス個体のものだが、今回展示される標本はオスの個体となる。国内はもちろん世界でも類を見ない大きさで、上あごから伸びるキバの長さは90cmを超える立派なものだという。

また、同館で飼育されていた個体であることから、幼獣から成獣までの飼育記録が残されており、舌骨や陰茎骨など、他の標本には存在しない骨格が全てそろっている。学術的にも大変貴重な資料だ。

標本は、鰭脚類形態学の第一人者である、国立科学博物館地学研究部生命進化史研究グループ・グループ長の甲能直樹博士が監修し、西尾製作所の最新技術により作製された。甲能氏は、「国内外におけるセイウチの全身骨格標本は、アメリカのスミソニアン博物館所蔵(非展示)のものを除き、オス個体でも若い個体のものが多く、セイウチの特徴であるキバもフルサイズに達していないものがほとんどで、今回の標本はその大きさと完成度の高さから、世界に誇れるものである」と評している。

セイウチの全身骨格標本の展示公開に伴い、メガマウスザメとシャチの全身骨格標本を合わせた3種類(魚類・鯨類・鰭脚類)の標本がロッキーワールド地階の特設会場で一度に観察できることとなった。そこで同館は、12月から1月にかけての日曜日(一部除外日あり)に、セイウチの飼育に関する特別レクチャーと3種類の全身骨格標本の観察会を実施する。

■セイウチ全身骨格標本展示
・展示開始:12月10日(以降通年の展示を予定)
・展示場所:ロッキーワールド地階 特設会場
・展示個体:セイウチ「タック」
1983年12月にロシア(旧ソビエト連邦共和国)より搬入。
同館で9頭の子供の父親となる。2019年10月に死亡。
飼育日数1万3093日は国内最長の飼育記録。
体長3m、体重1000kgを超える。

■特別レクチャー「セイウチの飼育」・全身骨格標本観察会
・開催日程:2021年12月12日・19日・26日・2022年1月9日
・開始時間:13時マリンシアター集合(各日1回)
・開催場所:マリンシアターおよびロッキースタジアム地階特設会場
・参加料金:無料(別途入館料必要)

《鈴木まゆこ》

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