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猫モチーフのメニューを楽しみながら保護活動を支援、 “ねこのいないねこカフェ”オープン

“ねこがいないねこカフェ”「Tasty for Cats」のアンバサダーに就任した、ダレノガレ明美さん
  • “ねこがいないねこカフェ”「Tasty for Cats」のアンバサダーに就任した、ダレノガレ明美さん
  • スイーツやパンケーキ、カレーなど猫モチーフのメニューが充実
  • “ねこがいないねこカフェ”「Tasty for Cats」
  • “ねこがいないねこカフェ”「Tasty for Cats」
  • “ねこがいないねこカフェ”「Tasty for Cats」
  • “ねこがいないねこカフェ”「Tasty for Cats」
  • ダレノガレ明美さん。愛猫メイちゃんの写真パネルと共に
  • ダレノガレ明美さんがデザインを担当したグッズも

JR新大久保駅ビル3F(東京都新宿区)に2月2日から22日の期間限定でオープンした「Tasty for Cats」は、“ねこがいないねこカフェ”だ。店舗の目的は、保護猫活動や地域猫について広く知ってもらうこと、保護団体に寄付を送ること。アンバサダーには猫好きで自らも保護活動を展開するモデルでタレントのダレノガレ明美さんが就任した。

どんなカフェ? 猫アレルギーでも安心

Tasty for Catsを主催するのはK.D.C(Kimuchi, Durian, Cardamon,,,)。カフェの売上やグッズ販売の一部は全国の保護団体に寄付される。寄付は、「アニマル・ドネーション」通じて行われる。この団体(公益社団法人)は、全国から集められた寄付を認定団体に配分したり、保護団体ごとにリサーチャーをつけて、活動の情報発信もサポートしている。

保護猫活動や募金には、寄付先が信頼できるところかの判断が実は難しい。保護猫団体に限った問題ではないが、運営実態のはっきりしない組織や悪質な里親詐欺なども存在する。主催するK.D.Cは、シェアダイニングやコワーキングスペースなどでベンチャーの起業支援を行う会社だが、アニマル・ドネーションのような団体との連携により、寄付の透明性・信頼性を確保するようにしている。

カフェとしての利用でも売上は保護団体の支援につながる。もちろん店内の展示やグッズを見ながら、保護猫活動について認識を新たにしたり、興味をもってもらうことも重要だ。Tasty for Catsには猫がいない。猫がいないことで、猫アレルギーの人や保護活動に強い関心がない人にもアピールでき、気軽に利用してもらうことを目指している。

“ねこがいないねこカフェ”「Tasty for Cats」“ねこがいないねこカフェ”「Tasty for Cats」

込められたダレノガレ明美さんの思い

アンバサダーとしてカフェメニューやグッズデザインにも関わったというダレノガレ明美さんは次のように語る。

「メニューは自分の思い出でもあるココアにこだわりました。パンケーキも外せないと思ったので、猫型にしました。かわいくて食べられないかもしれませんが楽しんでください。カップルや親子でも気軽に来てもらえるようにたくさんのスイーツとカレーも用意しました」

ココアの思い出とは、子供の頃行った家族スキーでの話。うまく滑れないダレノガレ明美さんはお父さんに買ってもらったココアを飲みながらロッジで過ごしていたという。その味の再現にこだわった。カレーは大小2種類あり、大きいサイズは香箱座りの猫の形でしっかりごはん(サフランライス)が盛られており、男性でも食べごたえのある量になっている。

スイーツやパンケーキ、カレーなど猫モチーフのメニューが充実スイーツやパンケーキ、カレーなど猫モチーフのメニューが充実

Tシャツやトートバッグなど6種のグッズは、ダレノガレ明美さんがデザインを担当し、飼い猫の写真からとったというシルエットをワンポイントに使っている。トートバックは、乗馬をするという彼女が、荷物をたくさん入れられて実用性の高いカバンをと意識したという。

自身も5匹の猫と預かりボランティアでもう1匹、合計6匹の猫と暮らしている。5匹のうち2匹は保護猫だ。「メイちゃん」は子猫の捨て猫で拾ったときには怪我と病気で危険な状態だったが、懸命なお世話の甲斐あって今はすっかりやんちゃ猫だそうだ。写真パネルを手にしながらの説明も猫好きならではの愛に満ちていた。

少しでも殺処分をなくしたい

ダレノガレさんは、自ら保護活動を展開しており、SNSでは、里親募集の拡散によって7匹の里親を見つけている。預かりボランティアは始めて間もないが、今いる1匹ですでに2匹目だという。現在の1匹も里親がほぼ決定しているが、引き渡しのときは寂しくて泣いてしまうそうだ。

保護猫活動について、ダレノガレさんは「現在でも4万匹あまりの猫が保護され、そのうち2万匹くらいが殺処分となっている。環境庁の発表では年々殺処分の数は減っているとはいえ、ゼロにできない事実は大きい」と思いを吐露した。アニマル・ドネーション広報の亀井雪代さんは「自治体や地域の取り組みもあり殺処分は減っているが殺処分の数字には胸が痛む。保護施設も足りない状況も何とかしたい」と活動の決意を新たにした。

Tasty for Catsは2月22日までの期間限定の猫カフェだが、その分、保護猫活動の支援という目的がはっきりしている。直接保護活動やボランティアを行うことは現実的にハードルが高いという人も、気軽にカフェを利用することで寄付につながる。支援を意識していない人にも、保護活動の接点を作ることになるだろう。

ダレノガレ明美さん。愛猫メイちゃんの写真パネルと共にダレノガレ明美さん。愛猫メイちゃんの写真パネルと共に
《中尾真二》

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