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【トリマーというお仕事 vol.1】シャンプーやカットだけでなく、犬の健康を維持するのも仕事…インタビュー

トリミングの様子
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  • トリマーの加藤利咲さん

都内でトリマーとして活躍する加藤利咲さん。常に「このコ(=犬)にとって本当に必要なことは何だろう?」と考えながら、総合的なケアを目指す「グルーミング」のプロです。彼女の横顔と、目指している犬との付き合い方、そして将来の夢を3回にわたってご紹介します。

動物看護士およびトリマーとして10数年、数多くの動物たちと触れ合ってきた彼女の経験。そこには、愛犬との向き合い方など、飼い主さんの参考にもなるヒントがたくさんあると思います。初回は、まず彼女のプロフィールから。

日常の総合的な健康管理のお手伝いができる魅力

----:まず、これまでの経歴を教えて下さい

トリマー・加藤利咲さん(以下敬称略):高校卒業後、渋谷にある動物専門学校に3年間通いました。そこを選んだのは、トレーニング、看護、そしてトリミングと、獣医学以外の全てを学べる環境が整っていたからです。卒業後は都内の動物病院に4年3ヶ月勤務して、看護師をメインにトリミングの仕事もしました。

だんだんとトリマーの仕事がメインになり、2012年に「doghug (ドッグハグ)」というトリミングサロンを都内に立ち上げました。その後はサロン経営から離れてフリーランスになり、2017年からはサロンのコンサルティングをしながら、飼い主さんのご自宅にうかがってトリミングをしています。

----: 看護師さんからトリマーさんに軸を移したのはどんなきっかけだったんですか?

加藤:経験を重ねるうち、技術を向上させたいと思うようになりました。病院が3年目から週休2日になったのをきっかけに、週1日ですが都内のトリミングサロンでの「修行」を始めました。同じトリミングという仕事でも、病院とサロンで求められるものが違うため、とてもいい経験になりました。

その当時はまだ看護師がメインでしたので、サロンで愛犬の健康管理に関するご相談をよく受けるようになりました。飼い主さんには、「できれば気軽に聞きたいけど、獣医さんにはちょっと聞きづらいな…」ということがたくさんあるようです。そんな中、シャンプーやカットだけでなく、日常の総合的な健康管理のお手伝いができる魅力をトリマーに感じたんです。そうした情報を提供する場として、自分のサロンをつくりたいと思うようになりました。

ちなみに、「トリマー」というのは日本の呼び方で、世界的には「グルーマー」が一般的です。グルーミングには、猫や猿がやるような「毛づくろい」の意味があります。それは健康を維持するために必要なものなんです。だから、「グルーマー」は犬の健康を維持するのも仕事なんです。

----:それで、サロンをオープンするわけですね?

加藤:まず、犬に関する総合的なサービスを学ぼうと、都内にある複合施設に転職しました。ペットと暮らせるマンションの1階にあるドッグカフェとペットホテルに、サロンも併設されたところです。そこに約1年務めた後、ペットシッターをさせて頂いた方との共同経営という形で話がまとまったので、サロンを都内に立ち上げました。

感覚的なものと科学的・論理的なものをバランスよく取り入れたい

----:色々な経験をされているんですね。そもそも動物関係のお仕事に就いたのはなぜですか?

加藤: 小学生の頃から生き物が大好きだったんです。同じマンションに住んでいた幼なじみも動物好きだったんですが、二人とも犬を飼っていなかったので、よくご近所の愛犬に会いに行く「イヌ巡り」をしていました。犬に関する本も読んだりして、動物、特に犬に関する仕事を夢見ていました。

獣医さんが夢だった時期もありましたが、理系の科目が苦手だったのと(笑)、動物を教材に使うのが無理だったので…。小学校の授業でフナやカエルの解剖があったんですが、(かわいそうで)泣いて泣いて退室…。で、次に考えたのがトレーナーでしたが、トリミングや看護も学べる専門学校があるのを知り、その3つを勉強しました。実際に働きはじめると、犬の見た目の可愛さや美しさは、身体の健康や健康的なライフスタイルのもとに成り立っているということに気づきました。犬たちに対して総合的なケアを提供できるという点で、トリマーというお仕事にはとても魅力を感じています。

----:では、その中で、加藤さんが大切にしていること、「こだわり」があれば教えて下さい。

加藤:習ってきたこと、一般的に言われていることをそのままやるのではなく、「どうしてそのケアが必要なの? 本当に犬にとって良いことって何なの?」というのを常に考え、追及していきたいです。感覚的なものと科学的・論理的なものをバランスよく取り入れたい。例えば、シャンプー後のコンディショナーの選び方や使い方にしても、犬種やそれぞれの個体差、年齢による皮脂の出方、頻度などを踏まえた上で決めることが重要です。「そのコ」に本当に必要なことを、はっきりとした裏付けをもって飼い主さんにご提案していきたいと思っています。

トリマーの加藤利咲さん

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「そのコに本当に必要なこと」。愛犬家にとってはとても興味のあるところだと思います。次回は加藤さんが、その「本当に必要なこと」をどう見つけているのか、犬との向き合い方について少しうかがいます。なお、シャンプーやスキンケアについては、今後、特集を予定していますのでお楽しみに。

《石川徹》

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