動物のリアルを伝えるWebメディア

企画展「洪水を生き抜いたナゴヤダルマガエル 岡山県倉敷市真備町のカエル調査」開催…須磨海浜水族園

ナゴヤダルマガエル
  • ナゴヤダルマガエル
  • 岡山大学学術研究院 環境生命科学学域 応用生態学分野 教授 中田和義氏

神戸市立須磨海浜水族園(兵庫県神戸市)では、5月8日まで、スマスイ自然環境保全助成企画展として「洪水を生き抜いたナゴヤダルマガエル~岡山県倉敷市真備町のカエル調査~」を開催している。

ナゴヤダルマガエルは水田環境に生息するカエルで、圃場整備等の影響を受けて各地で個体群が絶滅し危機的な状況にある種となり、環境省レッドリストでは絶滅危惧IB類に選定されている。遺伝的にトウキョウダルマガエル、ナゴヤダルマガエル名古屋種族、岡山種族の3つの地域集団に分けられ、形態や鳴き声にも違いが見られる。「ダルマ」の名前の由来は、そのずんぐりむっくりとした体形に由来するという。

岡山県倉敷市真備(まび)町は、県内でも最大規模のナゴヤダルマガエル生息地だが、2018年7月の豪雨で甚大な洪水被害を受けて以降、生息数に減少が見られていたという。そこで岡山大学は、2021年度スマスイ自然環境保全助成を受け、カエルたちの現状を調べるべく現地調査に乗り出した。

同企画展では、現地調査で得られた調査結果やこの地域で見ることができるカエルたちについて紹介するとともに、絶滅危惧種のナゴヤダルマガエルの個体数が回復しているかについても紹介する。

「スマスイ自然環境保全助成制度」とは、須磨海浜水族園が、調査・研究活動および自然環境保全活動の一環として、神戸市および周辺地域における生 物多様性の保護や自然環境保全を推進していくために独自に設立した制度で、同園の事業収入の一部を助成金として拠出し運営しているもの。

■企画展概要
展示期間:3月25日~5月8日
展示場所:本館2階エレベーター前 展示スペース
展示内容:上記の研究成果や真備町周辺で見ることのできるカエル類をパネルで紹介
共催者 :岡山大学学術研究院 環境生命科学学域 応用生態学分野 教授 中田和義氏

《鈴木ひとみ》

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top