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生き物たちの知恵が詰まった「悪のいきもの図鑑」刊行…平凡社

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「悪のいきもの図鑑」(平凡社)
  • 「悪のいきもの図鑑」(平凡社)

平凡社は、生き物たちの悪知恵や、人間臭い悪い行動の数々をカラーのイラスト付きで紹介した「悪のいきもの図鑑」を刊行した。

表紙カバーのそでには、「世の中には知らない方がいいこともあります。禁断の扉を開く覚悟はありますか?」と書かれ、子供向けに作られた動物図鑑とは一味違った図鑑であることを示唆する始まりとなっている。

しかし、同社によると「悪い」といっても、動物をけなしたり、あざ笑うことが目的ではなく、生き物の2大テーマである「生存」と「繁殖」のための知恵を知り、人間が生きるためのヒントを得ることを目指して発刊したとのこと。

同書は、第1章「実はキビしい!社会の掟」、第2章「おかしな性行動」、第3章「悪魔の卵・生存競争」、第4章「恐怖の操りと寄生」の全4章で構成されている。

「気に食わない他人の豪邸を壊す」“マダラニワシドリ”の項目には、立派な建造物を建てて雌にアピールをするマダラニワシドリの雄について書かれている。雄は、順位が高いほど豪華な建造物を造るのだが、もし、順位が低い雄が分不相応に立派なものを造ると、他の雄から襲撃を受け壊されてしまうのだという。

「ゴキブリを毒でゾンビ化させる」“エメラルドゴキブリバチ”は、自分より巨大なゴキブリの体にあごで噛みつき、逃げられないように毒を注入する。逃げられないが、死なない程度の毒を注入したゴキブリに卵を産み付け、成虫になるまでゴキブリの体液や内臓を食べながら住み続けるのだそう。

「51の言語でウソをつき、エサを盗む」“クロオウチュウ”は、猛禽類を見つけたら警告声を発し、ムクドリやミーアキャットに知らせる一見すると良い鳥だ。しかし、時々ウソの警告声を発して、ムクドリやミーアキャットが逃げた後に残されたエサを盗んで食べるのだという。さらに悪いことに、ウソが見破られたと判断すると、別の動物の警告声を真似して騙し続ける。

他にも様々な「悪いいきもの」が紹介されており、それぞれ分類や特徴だけでなく、悪さを表す「ワル度」も記載された図鑑となっている。

《鈴木まゆこ》

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