オランダ農業省および保健省は5月19日深夜、無症状のミンクから人間への新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染を疑わせるケースが発見されたと発表した。
AFP通信などが伝えたところによると、世界保健機関(WHO)も26日、動物から人間への初感染事例である可能性を指摘したという。
ミンクと人間から採取されたウイルスの遺伝情報がほぼ一致
ウイルスに感染したミンクが飼育されていた農場で働く従業員が、新型コロナウイルス感染症(CVID-19)と診断された。そのため、ウイルスを採取し遺伝情報を調べたところ、同農場でミンクから検出されたものと似た性質を持つことが判明した。
このことから、この従業員がミンクから新型コロナウイルスに感染した可能性があるとし、さらなる調査が続けられている。
飼育小屋の外での感染リスクは非常に低い
オランダ国立公衆衛生環境研究所は、以前、ミンクの飼育小屋の外で空気と塵を採取しウイルスの調査を行っている。その結果、新型コロナウイルスは全く検出されておらず、飼育小屋の外でミンクから人間に感染するリスクは非常に低いと考えられている。
今後オランダでは、ミンクの養殖に携わる職員の健康維持のため、オランダ食品消費者製品安全庁の主導ですべてのミンクに抗体検査を行う予定である。
猫からの感染も調査中
新型コロナウイルスが検出された農場で暮らしている11匹の猫うち、3匹からも新型コロナウイルスが検出された。現在、猫がミンクの感染に関係あるかどうかの調査も行われている。
人への感染
海外では、ごく少数ではあるが、ペットが一部で新型コロナウイルスに感染したと報告されている(参考記事)。REANIMALでも過去数回、新型コロナウイルスとペットについて報じているが(参考記事)、まず飼い主が感染しないことに注意するとともに、猫は室内にとどめておくことが重要である。
オランダ国立公衆衛生環境研究所も、ペットの取り扱いについてはこれまでと変わらないとしている。