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アクア・トト ぎふ、国の天然記念物「イタセンパラ」の展示を開始

イタセンパラ
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世界淡水魚園水族館「アクア・トト ぎふ」(岐阜県各務原市)は、国の天然記念物であり、絶滅危機にある日本固有のタナゴの仲間、イタセンパラの展示を開始した。

イタセンパラは濃尾平野を含む3つの地域でしか生息が確認されておらず、環境省のレッドリストでは、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い、絶滅危惧IA類に指定されている。

かつては濃尾平野の多くの場所で見られたが、生息地の減少や外来魚の侵入などにより生息数が激減、濃尾平野の個体群は絶滅したと考えられていた。

しかし、2005年に同館のスタッフが木曽川のワンドに僅かながら生息していることを確認し、現在では環境省・国土交通省を中心に、県水産研究所や水族館・動物園などで、様々な保全事業が実施されている。

同館では、イタセンパラの保全活動として、展示や繁殖、普及活動に努めており、その一連の保全活動の中で、環境省の保護増殖事業により今年繁殖した個体の内、約20個体を館内に展示した。

春に生まれたイタセンパラは、繁殖期である秋にタテボシガイなどの二枚貝に産卵すると、そのほとんどが一生を終える。繁殖期の今、オスの体には鮮やかな紫色の婚姻色が現れ、美しい姿を見ることができる。

《鈴木まゆこ》

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