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素材を丸ごと使うことで「生物学的に適正」なフードを提供…オリジン【インターペット愛知】

アカナ/オリジンブース(インターペット愛知)
  • アカナ/オリジンブース(インターペット愛知)
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  • デモンストレーションの様子
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  • アカナ/オリジンブース(インターペット愛知)

Aichi Sky Expo(愛知県常滑市)で11月21・22日に初開催された「インターペット愛知」には、約90社の関連企業が出展した。サプリメントやおやつを含むペット用食品メーカーによる展示の多さが印象的だったが、中でもカナダのドッグフード「アカナ」と「オリジン」のブースが目をひいた。日本で商品を取り扱うアカナファミリージャパン/オリジンジャパンが、展示ホール中央近くの広いスペースで30分近いデモンストレーションを行っていた。

「生物学的に適正」なオリジン

オリジンは、「生物学的に適正(Biologically Appropriate)」なフードを提唱している。犬や猫が野生で暮らしていた時代に食べていた肉の量や新鮮さ、種類の豊富さを再現することが重要だとしている。産地や生産者にこだわり、地元で仕入れた新鮮で高品質な肉や魚を原材料として使用しているそうだ。また、含まれる栄養素が異なるため、1種類のフードに複数の動物や魚を使用しているのも特徴だという。

内臓の内容物も再現

デモンストレーションでは、契約農家から仕入れたニワトリ、七面鳥と鶏卵、および大西洋で獲れたサバ、ニシンやカレイを使用していたが、「ツンドラ」という商品には肉だけでも13種類の動物が使用されているそうだ。また、骨以外は内臓や軟骨なども含めて「丸ごと」使用することで、栄養バランスが取れるよう配慮されている。さらにハーブやフルーツも加えられており、これは、野生時代に獲物とした草食動物の内臓に含まれていたと考えられる植物を再現しているとのことだ。

血糖値の急上昇を避けるため炭水化物量を抑える

肉食動物である猫や、もともとは肉食動物だった犬の消化器は、イモ類や穀物など炭水化物の消化にはあまり適していない。また、人間と違い唾液に「アミラーゼ」(酵素)が含まれておらず、口の中で炭水化物を糖に分解することができない。アカナファミリージャパンによれば、炭水化物を多く摂取すると、腸で直接吸収することになり血糖値の急激な上昇を招き健康に悪影響を与える場合もあるという。

ドライフードの場合、通常は粒状に固めるためにタピオカやジャガイモ、サツマイモなどのデンプンを多く使用するそうだ。一方、オリジンは炭水化物の割合を20%以下までに抑えるとともに、血糖値の急激な上昇を起こさない豆類を使用している。さらにリンゴ、ナシなどの果物や葉野菜を追加することで、粒状に固める方法を採っているという。こうした素材の利用は、サプリメントに頼ることなくビタミン、ミネラル、食物繊維などを自然の素材から得ることができるメリットもある。

最終工程では、通常のドライフードの場合150度以上の高温で加熱加工するのが一般的とのこと。オリジンの場合は90度以下の低温で時間をかけた処理を行い、素材に含まれる栄養素を壊さない配慮がされている。

給餌量を守ることが重要

デモンストレーションでは、オリジンがこだわる要素として「お肉の量が85%」という説明があった。基本的には雑食動物に分類される犬、特に小型犬で運動量が少ない場合はタンパク質の過剰摂取が腎臓機能の低下につながることもあるのだが、同社によればタンパク質およびその他の栄養素やカロリーについては、体重に応じた給餌量が決められており、基本的には飼い主が正しく管理すれば愛犬・愛猫が健やかに過ごすことができるとのことだ。

今回はオリジンがこだわる「生物学的に適正」なフードの考え方を紹介したが、最近のペットフードでは、「ヒューマングレード」や「グレインフリー」、「グルテンフリー」、「オーガニック」などをうたう製品が増えている。愛犬・愛猫の健康のためには、それらの言葉が持つ意味を飼い主が十分理解した上で、良いフードを見極める目を持つことが大切だろう。

《石川徹》

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