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日本介助犬協会、障がいがある男の子の家族に介助犬の元訓練犬を譲渡

日本介助犬協会、障がいがある男の子の家族に介助犬の元訓練犬を譲渡
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日本介助犬協会は、WithYouプロジェクトとして、神奈川県横浜市在住の山本湧貴くん(12歳、脳性麻痺により四肢体幹機能障害)とその家族へ、介助犬よりキャリアチェンジしたラブラドールレトリーバーのジオン(3歳・オス)を12月に譲渡した。

同団体は、手足の不自由な人の手助けを行う介助犬の育成活動だけではなく、犬を介して多くの人が笑顔あふれる日々を過ごせるように、様々な公益的な活動を行っている。そうした活動の中に、介助犬にならなかった犬と障がい児・障がい者がいる家庭をマッチングする「WithYouプロジェクト」という活動があり、今回譲渡へと至った。

きっかけは、山本さん家族が以前から犬を飼いたいと思っていたところ、湧貴くんの友人が同団体から譲渡されたキャリアチェンジ犬と一緒に楽しく生活していることを知り、「やはりうちも犬を飼いたい」と同団体へ申し出たことだという。

キャリアチェンジ犬は、それまでの訓練や評価に基づきその犬の性格や得意・不得意を理解した上でマッチングを検討するため、希望の家庭の雰囲気やニーズにあった犬を紹介してもらうことができる。また、ジオンのように介助犬の訓練が一定段階まで進んでいた犬の場合は、落としたものを拾うなど家の中で簡単な作業を犬にお願いすることができる場合がある。

譲渡前のお試し飼育期間では、家庭内で人も犬もお互いが負担なく暮らすことが出来るかどうかをしっかりと見極めてもらうため、通常のキャリアチェンジ犬譲渡より長い期間が設けられている。ジオンの紹介を行った前川トレーナーは、「ご両親はジオンが引き出しを閉めたり、落としたものを拾う作業をご覧になり、『例えばこんなこともできたりしますか?』と、これからの湧貴くんとジオンの生活にいろいろ想像をめぐらせていらっしゃいます」と話しているという。

同団体は、WithYouプロジェクトを通じて、「障がいがあることで犬との生活を諦めていた方が犬と楽しい生活を送れるようになる」「障がい者ご本人・ご家族の負担を減らす」など、犬の力を最大限に活かした支援を行っているとしている。なお、同活動を開始してから、これまでに20頭の犬たちが障がい児者のいる家族のもとに迎えられているとのこと。

《鈴木まゆこ》

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