4月1日、東京ビッグサイトで第10回「インターペット ~人とペットの豊かな暮らしフェア~」が開幕した。家で留守番している犬や猫とLINEで会話ができたら… そんなアプリのデモを行っていたのはNECのブースだ。
まず、ペットの首輪にペット用のバイタルメーター(センサー)を取り付ける。バイタルメーターは、Bluetoothでスマホと直接つながることができるが、それではスマホを持ち歩いて外出しているときにペットの様子はわからない。そこで、そのデータを自宅のWi-Fiに中継してくれる小さい箱(Wi-Fiゲートウェイ)を用意し、センサーのデータをWi-Fi経由でクラウドに送る。
データがクラウドに上がるなら、外出先でもスマホアプリでその状態を確認することができる。このとき、単に運動しているかどうか、寝ているかどうかを確認したり、活動量のグラフを見るだけではなく、AIを利用してペットの状態を反映したチャットができるアプリにする。
飼い主が外出先から「いま何してる?」とチャットを送れば、アプリ(のAI)がバイタルメーターの数値を見て、「寝ている」とか「起きた!」といった返事を返してくれる。
本当にペットとチャットしているわけではないが、ある程度、ペットの様子や健康状態が会話形式で把握することができる。
このようなアプリが可能なのは、NECが提供している「waneco(ワネコ)」というクラウドプラットフォームがあるからだ。wanecoはプラットフォームなので、バイタルメーターやWi-Fiゲートウェイ、アプリは特定メーカーに縛られない。ブースのデモで使っていたのは、日本動物高度医療センターが開発した犬猫用活動量計「PLUSCYCLE(プラスサイクル)」だ。
PLUSCYCLEのための健康管理アプリはすでに存在し、日本動物高度医療センターが配布している。BluetoothとWi-Fiのゲートウェイは汎用的な製品で問題ない(ブースではIoT工作に使えるobnizという製品を使っていた)。チャットを実現するアプリは「waneco talk」という。
ただし、waneco talkは、現時点では商品化された製品・サービスではない。NECは、8月を目途に一般向けサービスを立ち上げる予定だが、料金など詳細は未定とのことだ。
もともと、NECのwanecoプラットフォームは、サービスプロバイダーやアプリベンダーなど事業者向けのもの。前述の日本動物高度医療センターによるPLUSCYCLEを利用して健康管理アプリ、ペット美容サロン向けの「サロンドワン」アプリなど、事業者がクラウドを利用したアプリやIoTサービスを展開するためのシステムだ。
ペットホテル、ペット保険などで独自のクラウドサービスやアプリ、デバイスを活用したい場合、wanecoが活用できる。オープンデータの活用ならマイクロチップや鑑札データとの連動も面白いかもしれない。