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大阪・海遊館の飼育員が語る、オンライン特別講座「ワモンアザラシ 日本初の完全人工哺育の軌跡」開催…9月18日

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オンライン特別講座「ワモンアザラシ 日本初の完全人工哺育の軌跡」開催
  • オンライン特別講座「ワモンアザラシ 日本初の完全人工哺育の軌跡」開催
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  • オンライン特別講座「ワモンアザラシ 日本初の完全人工哺育の軌跡」開催
  • 講師の海遊館・アザラシ担当飼育員 竹内慧氏

NHK文化センターは、海遊館(大阪府大阪市)の飼育員を講師に迎え、オンラインでの特別講座「ワモンアザラシ 日本初の完全人工哺育の軌跡」を9月18日に開催する。

同講座では、ワモンアザラシの「ミゾレ」の成長の軌跡と、試行錯誤で挑んだ前例のない人工哺育の取り組みを、貴重な写真や動画とともに紹介する。

大阪にある世界最大級の水族館、海遊館。4月1日に誕生したミゾレは、同館で初めて繁殖したワモンアザラシだ。しかし出生直後、赤ちゃんはほとんど動かず、ぐったりした様子だった。低体温や低血糖の症状があり、一時は命が危ぶまれたという。すぐに獣医師や飼育員が治療を始め、24時間つきっきりで見守り、懸命なケアに努めた。その結果、赤ちゃんの体調は回復。しかし、時間がかかったため親と同じ展示水槽に戻すことが難しくなり、飼育員が親代わりに育てる人工哺育に切り替えることになった。

ワモンアザラシの人工哺育は世界でも珍しく、日本では初めての試みとなった。国内の水族館でワモンアザラシを完全な人工哺育で育てたという記録は見当たらなかったという。そこで、ミゾレの出生に立ち会った飼育員の竹内氏らは、ワモンアザラシの繁殖経験や補助的に人工哺育を行ったことがある水族館のデータと、過去に海遊館で行ったゴマフアザラシの人工哺育のデータを照らし合わせながら、哺育を進めていくことにした。

また、ワモンアザラシの繁殖に成功した他の水族館に、体重の増え方や魚を食べ始めた時期なども教えてもらい、手探りで育ててきた。その甲斐あって赤ちゃんはすくすくと成長。海遊館は、成長する赤ちゃんの姿をTwitterやYoutubeで随時公開した。

たくさんの人に愛されて見守られたミゾレは順調に育ち、出生直後は2.44kgだった体重も8月9日には19kgを超え、8月18日からは海遊館内の水槽に生活の場を移し、現在は一般公開されている。

同講座の企画者は、命の危機を乗り越え成長していく赤ちゃんの姿と、初の試みに奮闘するスタッフの姿に、勇気と感動をもらったという。そこで命の尊さや、ワモンアザラシの生態について理解を深めるきっかけになればと願い、コロナ禍で、海遊館を訪れることができない全国のファンのために講座を企画したとのこと。

講座は、「妊娠が判明してから出産までに行った取り組みの紹介」「出産から人工哺育まで」「離乳と展示デビューから現在まで」の3部構成となっている。また、事前に撮影された写真や動画を交えての質問タイムも設けられている。

■講座概要
・開催日時:9月18日 13時~14時
・講師:海遊館・アザラシ担当飼育員 竹内 慧氏
・受講形態:オンライン
・受講料金:NHK文化センター会員・一般(入会不要) 2750円(税込)

《鈴木まゆこ》

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