9月23日、西武ライオンズは「SAVE LIONS ~消えゆく野生のライオンを救うプロジェクト~」の周知と参加を呼びかけるイベント、「SAVE LIONS DAY」をメットライフドーム(埼玉県所沢市)にて開催した。
なぜライオンは絶滅の危機にあるのか
「SAVE LIONS」は、同チームがライオンを絶滅の危機から救うため、2019年より行っているプロジェクトだ。ホームラン数に応じた金額の寄付や募金活動、チャリティーオークションなどを通じて、英・オックスフォード大学の動物研究機関「WildCRU(ワイルドクルー)」の保全活動を支援している。
昨今アフリカでは人口の急増に伴い、食料確保のための農地や畜産地の必要性が高まっている。しかし、人間の暮らしのために土地を開拓すれば、動物の生息地が減少するという結果につながる。家畜の命を奪うライオンはしばしば報復として狩りの対象となることもあるそうだ。オックスフォード大学の調査によると、世界の野生ライオンの生息数は直近20年で約半分に減少。さらに100年前と比較すると、その生息数は約2割にまで激減していると考えられている。現在生息しているのは、アフリカに約2万頭、インドに約400頭のみ。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストにおいても、危急種(Vulnerable)に指定されている。
そのようなライオンたちを救うため、現地ではライオン保安隊による村人への支援や、GPS付き首輪を使ってライオンの居場所を把握し人間との接触を事前に回避したり、種を根絶させないために遺伝子の多様化を維持する活動などが行われているという。
イベントでは新日本プロレスとコラボ
3回目となる今年の「SAVE LIONS DAY」では、同じくライオンをシンボルとする新日本プロレスとのコラボレーションが実現。プロレスラーの真壁刀義選手が来場し、セレモニアルピッチなどに参加した。
真壁選手はまず、当日のピッチングについて「力みすぎてワンバン(ワンバウンド)だよ! 指が引っかかっちゃった。プロの野球選手はやっぱりすごい。でもすごく気持ちよかったし、いい経験をさせてもらった」とコメント。
イベントのテーマであるライオンについては、「(野生)動物って大自然の中で生きていて、そこには食物連鎖があって、強い者が弱い者の命をもらって生きてるとかそういう姿を見て子どもは勉強していく。それってすごく大切なこと。その中で、ライオンの強さに憧れたりするんじゃないかと思う。でも、そんな強いライオンたちがまさかの絶滅危機にあるというのは、知らない人も多い。じゃあどうしたらいいのか? こうしたら助けられるっていうのを知って、みんなで考えて行動していくことが大事」と思いを語った。
寄付につながる2本のホームラン
球場内にはライオンズの呉念庭選手と愛斗選手、新日本プロレスの真壁刀義選手、本間朋晃選手の等身大パネルと一緒に撮影できるフォトスポットや、プロジェクトの活動やオンライン募金を紹介するブースが設置された。
試合(東北楽天ゴールデンイーグルス戦)では、監督・コーチ・選手たちがプロジェクトのオリジナルキャップとヘルメットを着用し、ネクストバッターズサークルやベースも特別デザインに。ホームゲームでのホームラン1本ごとに1万円を寄付する取り組みはシーズンを通して行っているが、この日のアーチは特別なのだろう。1回に先制ホームランを放った森友哉選手は「SAVE LIONSの日にホームランを打てて良かったです!」と語り、6回に3点目を決めた呉念庭選手も「僕も貢献出来て良かったです」とコメントしていた。試合はその後7回に追いつかれ、同点のまま9回裏に突入。2アウトまで追い込まれるも、代打・柘植世那選手のタイムリーでサヨナラ勝ちを収めた。
同チームの広報担当者は「新型コロナウイルスの影響で球場における対面の募金活動などは自粛せざるを得ない状況だが、オンラインで多くの支援をいただいている。保全団体から感謝のメッセージや寄付金の活用事例などが届き、SAVE LIONSの活動がライオンを守ることに繋がっていることを実感している」と話す。今後も、継続的に活動を実施していくという。
9/22(水)~23(木)のイーグルス戦では、22日(水)に #中村剛也 選手、#岸潤一郎 選手、23日(木)に #森友哉 選手、#呉念庭 選手がホームランを放ちました。
【SAVE LIONS 累計ホームラン数:47本 累計寄付額:47万円】#savelions #seibulions #埼玉西武ライオンズ pic.twitter.com/WW1lDxPk3Q— SAVE LIONS (@SAVELIONS_PJT) September 23, 2021