大切な家族の一員として、生活を共にするペットたち。このコーナーでは、一般家庭で暮らす犬や猫、その他の動物たちを紹介していきます。
今回は、東京都で暮らす柴犬の「さぶ」君8歳です。飼い主の南武果歩さんにお話を聞きました。
「この出会いだ!」という 一目惚れ
----:出会いは?
南武さん:たまたまペットショップを覗いて一目惚れしました。「この出会いだ!」と思いました。
----:柴犬に決めていたんですね?
南武さん:いえ、特に決めていたわけではないんです。(そのお店には)色々な犬たちがいましたが、完全に「さぶ」に一目惚れでした。
----:日本的なお名前ですね。
南武さん:祖母がつけてくれました。実家には先住犬がいるので、家族からは犬を迎えることを反対されたんです。強引に決めちゃいましたが、おばあちゃんを味方にすれば大丈夫だとわかっていたので、「名前つけて」と頼んだんです(笑)
甘えん坊なところが魅力
----:お名前には戦略的なストーリーが秘められているのですね。「彼」の魅力は?
南武さん:とにかく甘えん坊なところが可愛いくてたまらないです。柴犬は自立心が強いそうですが、さぶの場合は「こんなことある?」っていうほど甘えるんです。この子と家族になってから、柴犬のイメージがガラッと変わりました。見た目では、おっきな耳がチャームポイントです。
----:甘えん坊とのことですが、南部さん以外の人や犬たちに対してはどうですか?
南武さん:ちょっと人見知りです。ドッグランに行っても、「遊びたいんだけど、(ほかの犬との)距離感が分からない…」という感じです。お散歩中も、ワンちゃんに挨拶したいけどうまくいかない時がありますね。
好きなことはお出かけといたずら
----:でも、お出かけは好きですよね?
南武さん:そうですね。今住んでいる家の近くに、大きな公園があります。春や秋などは、週末ごとに出かけます。父のクルマでドライブに行くのも好きです。父の地元が草津温泉のそばなので、時々遊びに行きます。
----:クルマも好きなんですね。
南武さん:乗り物は好きみたいです。自転車も好きで、「乗せて」とねだられることがあります。公園の行き帰りは、彼が後ろのかごに乗って、それを私が押して歩くっていう…(笑)
----:尽くしていますね。そこは殿様キャラですが、普段はどんな性格ですか?
南武さん:遊ぶことが好きで、調子に乗りやすい。いたずらっ子ですね。新しい物が好きで、私が買ったばかりの帽子や靴などを破壊したがるので注意が必要です(笑) 犬のおもちゃは、中に入っている綿など全部引っ張り出す癖があります。
「頼りになる男」が飼い主を変える
----:物を噛んで壊す犬は多いですよね。そのほか、苦労することはありませんか?
南武さん:結構(手などが)傷だらけになってますね。動物病院が苦手なんです。診察中はあきらめておとなしくしますが、それまでは嫌がるのでひっかかれたり。でも、とにかく私の味方でいてくれるんです。例えば、一緒に暮らしている姉がふざけて私を叩くようなしぐさをすることがあります。そんな時は、すぐ間に入って私を守ってくれます。
----:頼りになる男ですね! そんな彼と暮らして、南武さん自身が変わったことはありますか?
南武さん:規則正しい生活になりました。さぶを迎えた頃、私は学校を卒業したばかりで、友達と遊ぶことが多い時代でした。でも、この子が来てからは、朝晩の散歩のために規則正しい生活リズムができました。家にいる時間も増えたと思います。
あ! あと、お酒をやめました! お酒はすごく好きなんですけど、飲むと時間が過ぎるのがすごく速く感じるんです。「夕方6時位から飲み始めたのに、もう12時だ!」みたいな。さぶと過ごす時間も速く過ぎてしまう気がして、やめました。今年8歳になって、犬の寿命を考えると(一生の)折り返しかな~と思います。一緒にいられる時間が少なくなるのは寂しいなって…。
自分のことよりさぶのこと
----:それほど大切なさぶ君との時間ですが、彼と接する上で大事にしているのはどんなことですか?
南武さん:祖母の言葉を大切にしています。「動物たちはしゃべれない。だから、自分のことよりも先に、この子のことを考えなきゃいけないよ」と言われました。毎日の生活では、ご飯やお水、散歩、暑さ寒さなどに気をつけて、全て彼に合わせています。とにかく、自分のことよりさぶのことですね。
----:彼に一言、伝えるとしたら?
南武さん:とにかく、長生きしてずっとそばにいてほしいです。最近クルマの免許を取ったので、一緒にドライブに行くのが楽しみです。
一目惚れした彼に、今も夢中の南武さん。趣味はバイクに乗ることだそうです。柴犬には、たまには一人の時間があってもいいかもしれません。そんな時は、愛車のカワサキ『ニンジャ』にまたがるそうです。キリっとした表情を見せるシャープなヘッドライトと、全体から出る迫力が魅力とのことです。シャープなイメージといえば、柴犬にも通じるところがありそうですね。
今は山登りにもはまっていて、来年は奥穂高か槍ヶ岳に登りたいのだそう。一緒の登頂は難しいでしょうけど、さぶ君も麓でお散歩を楽しめそうです。常に「味方」であるさぶ君と、全てにおいて彼を優先する南武さん。一目惚れから始まった「ふたり」の関係は、理想的な家族の形の1つだと感じます。
南武果歩さん(Instagram:@kaho_nanbu)
レースクイーンやモデルとして、自動車やバイクレースの会場、各種展示会やイベントなどで活躍中(プリッツコーポレーション所属)。「生まれた時には家に犬がいました」という動物好きの家庭で育った。埼玉県出身。