動物のリアルを伝えるWebメディア

引退した競走馬、その後の「馬生」を支える活動とは…まとめ

ナイスネイチャ
  • ナイスネイチャ

2021年の話題の1つに、「ウマ娘」のブレイクがある。スマートフォンなどの携帯端末でプレイする、いわゆる育成ゲームを軸とした「ウマ娘 プリティーダービー」というメディアミックスコンテンツだ。このウマ娘が、意外なところでも活躍した。引退後の「競走馬」を支援する団体が行った元ダービー馬「ナイスネイチャ」のバースデードネーションに、目標金額の10倍を超える3600万円近い募金が集まった。

「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)」の改正などによって、少しずつではあるが、動物の命に対する考え方は変化している。しかし、そうした取り組みの多くは愛玩動物に集中している。今後は、実験動物や産業動物たちの命についても議論されるべきだろう。このシリーズでは、競走馬という存在について考えた。


引退馬協会が掲げるモットーは、「人と馬のハッピーライフをめざして」。動物だけでなく、人間だけでなく、双方が幸せになれる環境をめざすのが動物福祉の真の向上につながるだろう。引退馬協会の姿勢で特に印象的だったのは、引退馬の行く末に関するネガティブな面を訴えるのではなく、馬の魅力を伝えることに集中する努力である。「魅力を知ってもらうことで、馬たちの行き場が1つでも増えるように」、という考え方は、他の動物福祉向上に向けた取り組みにも大いに参考になるのではないだろうか。

《石川徹》

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top