動物のリアルを伝えるWebメディア

パンダの楓浜、4月上旬のひとり立ちに向けて準備スタート…アドベンチャーワールド

パンダの楓浜、「ひとり立ち」に向けて準備スタート
  • パンダの楓浜、「ひとり立ち」に向けて準備スタート
  • パンダの楓浜、「ひとり立ち」に向けて準備スタート
  • パンダの楓浜、「ひとり立ち」に向けて準備スタート
  • 双子の「桜浜」「桃浜」も別々の運動場で過ごす
  • アドベンチャーワールドのパンダファミリー

アドベンチャーワールド(和歌⼭県⽩浜町)は、同園で暮らす1歳のジャイアントパンダ「楓浜(ふうひん)」の「ひとり立ち」の準備を開始すると発表した。4月上旬予定だが、詳しい日程については、親子の様子を見ながら改めて発表するとしている。

2020年11月に誕生した「楓浜」は、1歳3ヶ月を迎えた。これまで大きな怪我や病気もなく、すくすくと成長。歯はほとんど永久歯に生え変わり、食べられなかった竹も現在では1日に1kg前後食べるように。まだ授乳シーンは見られるものの、親子でじゃれあう時間は減少し、大人のパンダと同じように食べて寝てを繰り返し、1日を過ごすようになってきている。夜間も母親「良浜(らうひん)」とは別々に過ごし、母親を求める行動もほとんど見られず、人工乳を飲み、1頭での時間を過ごしている。

これから楓浜は、4月上旬に予定されているひとり立ちに向けて準備期間に入るという。段階的に親子で過ごす時間を減らし、楓浜1頭で過ごす時間を増やしていく。親子にとってとても重要な時期であり、安全にひとり立ちを迎えられるよう、同園スタッフは食欲や便の状態など、健康状態に問題がないことを常時確認し、サポートに努めていくという。

ジャイアントパンダの子は、母親と過ごす期間が極端に短いと、繁殖適齢期になった際、他のパンダとの接し方がわからず繁殖につながらなかったり、子を出産し母親になった際に、育て方が分からず育児放棄してしまう可能性があるといわれている。そのため、同園では、親子で過ごす時間を大切にし、子が1歳~1歳半を迎える頃まで母親と過ごす時間を設けているそうだ。

全力で母親と遊ぶことで、相手との接し方や力加減、竹の食べ方など様々なことを学ぶ。そうした時期を経て、ひとり遊びや、竹を食べる時間、寝て過ごす時間が増えていき、徐々に母親と過ごす時間が減り、ひとり立ちへと向かうのだという。

ジャイアントパンダは単独で生活をする動物であり、野生下でも1歳から長くても2歳までに母親と離れ1頭で暮らすようになる。双子の場合でも、兄弟姉妹とも一緒に過ごすが、成獣になると縄張り意識が芽生え、食べ物や縄張りをめぐり争うようになる。

ジャイアントパンダのように、単独生活する動物の親子が別れる時期は突然訪れる。母親は突然子供に対する態度を変え、攻撃的になり、自分の縄張りから追い出し、ひとり立ちを促すようになる。野生下では子は母親から逃げるように旅立っていくが、同園のような飼育下では、逃げられる範囲に限りがある。子は逃げ場を失い致命傷を負ってしまうことも考えられるため、親子の安全を最優先に段階的にひとり立ちをサポートする必要があるのだという。

■楓浜について(体重・全長は2022年2月24日時点)
出⽣⽇時:2020年11⽉22⽇ 午前11時50分
性別:メス
体重:38.38kg(出生時:157g)
全長:約110cm(出生時:20.5cm)
その他:アドベンチャーワールドで17頭目のジャイアントパンダの赤ちゃん

《鈴木まゆこ》

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top