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海棲哺乳類情報データベースにストランディングマップの機能を拡充…国立科学博物館

検索画面(初期画面)
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  • 「海棲哺乳類ストランディングマップ」
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  • 「海棲哺乳類ストランディングマップ」
  • 赤枠が今回プレスリリースされる新しいコンテンツになる

国立科学博物館は、国内で発生した鯨(クジラ)やイルカなど海棲(かいせい)哺乳類のストランディング(海岸に打ち上がってしまう現象)事例を検索して地図上に示し、視覚的に比較・考察できるコンテンツ「海棲哺乳類ストランディングマップ」を公開した。

日本国内では年間300件前後、海棲哺乳類のストランディングが報告されている。「なぜこれらのストランディングは発生するのか?」を解明するために、病理学、生態学、環境汚染物質学、分子生物学、基礎生物学など様々な研究が遂行されているが、事例全てを調査・研究することは難しく、網羅的な把握を通した原因解明までには至っていない。しかし、事例を記録し整理・蓄積することで、これまで発見できなかった新解釈・見解ならびに傾向、理由を見出すことに繋がると考えられる。

そこで、海棲哺乳類の和名や発見年月、発見地名などを検索すると、該当するストランディングが起きた地点が地図上にポイント表示される同検索マップを作成した。また、表示されたポイントをクリックすると、吹き出しでそれぞれストランディングが起きた状況、地名、日にち、緯度・経度などの情報が表示され、いつ、どこで、どの種にどのようなことが起こっているのか、傾向などを地図上で確認することが可能。さらに、個々のストランディング事例の対象個体について、研究機関が調査をしているのか、標本などは残されているかなどの関連データも、連動する既存の海棲哺乳類ストランディング情報データベースから確認できる。

昨今判明しつつあるストランディング発生要因として人間社会の影響があり、それは年々大きくなっている。視覚的に把握しやすい検索マップは、海洋環境や海洋生物の現状把握ならびにSDGs達成への足がかりとなり、人間との関わりに対する知識の普及および啓蒙活動へ活用することもできるという。

《山本真美》

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