アドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)で、「いい夫婦の日」である11月22日の11時50分に、ジャイアントパンダの赤ちゃんが誕生した。
父親は「永明(えいめい)」(28歳)、母親は「良浜(らうひん)」(20歳)で、この2匹の間の赤ちゃん誕生は2年ぶりとなる。今回7度目の出産となる「良浜」は、落ち着いた様子で、鳴き声をあげる赤ちゃんを優しく抱えあやしており、母子ともに健康状態は良好だという。
同園では、これまでに16頭のジャイアントパンダの繁殖に成功しており、今回が17頭目の赤ちゃん誕生となり、「永明」は16頭の父親、「良浜」は10頭の母親となった。また、「永明」は現在の飼育下で自然繁殖に成功した、世界最高齢の雄のパンダという自身の記録を更新した。
なお今回の出産は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、成都ジャイアントパンダ繫育研究基地より中国人スタッフが来日できない中、同園の日本人スタッフのみで迎えた初めての出産となった。
現在、野生のジャイアントパンダは、約1800頭といわれ、その保護と個体数を増加させるため飼育下での繁殖研究が重要とされている。同園では、1994年より、中国成都ジャイアントパンダ繁育研究基地の日本支部として、世界で初めてブリーディングローン制度でジャイアントパンダ自然繁殖のための日中共同研究をスタートさせた。 2000年には「梅梅(めいめい)」を迎え、ジャイアントパンダをはじめ、関わるすべての人々のしあわせを願う「しあわせ計画」を始動した。
そして、2000年9月6日に同園で初めてとなる赤ちゃん「良浜」 が誕生。以降、今回の赤ちゃんを含め合計17頭の繁殖に成功し、大家族となった。また、同園で生まれ育った11頭が中国へと旅立ち、その内4頭が繁殖しこれまでに22頭の子供たちが育っている(2019年11月現在)。