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東京以外での初開催、規模はまだ小さいが将来に向けた可能性も【インターペット愛知】

インターペット愛知
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11月21・22日に開催された「インターペット愛知」では犬猫用のフードやトイレタリー製品、愛犬と楽しむカーライフの提案など様々な展示が行われた。

同イベントは、新型コロナウイルスの影響で開催を危ぶむ声もあったが、マスクの着用や入場時の検温、アルコール消毒などの感染対策を講じた上で予定通りAichi Sky Expo(愛知県常滑市)で行われた。

次回以降のパフォーマンスに期待

主催者発表によると、2日間の入場者数は約4000名、来場ペット数はおよそ2700とのことである。出展社数は合計94社で、2019年には481社の出展と4万4000名を超える来場者(4日間)のあった「インターペット東京」と比較すると規模は小さい。初日は開場前から入り口付近に長い列が見られたが、午後は会場内のスペースにも余裕が見られ、多くの来場者とペットでにぎわう東京でのイベントとは異なる印象を受けた。

ただし、今回は東京以外での初開催であり、新型コロナウイルスの影響で前売りのみとされたチケットは枚数の上限も決められていた。また2011年から始まったインターペット東京とは歴史が違うため、直接の比較は難しいだろう。海外からの出展社が、3ヵ国3社にとどまったのも新型コロナウイルスの影響が大きいと考えられる。

一方で、駐車場には愛知県や岐阜県などの近隣だけでなく関西や関東圏ナンバーのクルマも多く見られ、「人とペットのより良いライフスタイル」を提案する同イベントへの関心が幅広いことはうかがい知ることができた。中部国際空港セントレアに隣接しているため、今後は海外企業からの出展も見込める可能性がある。インターペット愛知については、第2回以降のパフォーマンスによる評価が必要だろう。

専門家によるセミナー、トークショーや体験型イベント

ペット関連のグッズやサービスを紹介する出展ブース以外にも、インターペット東京と同様のバラエティに富んだプログラムが用意されていた。特設ステージでは「ワン学セミナー(犬について学ぼう!)」と称し、犬との暮らしに必要なことを獣医師から分かりやすく学ぶセッションが実施された。また、子供向けの「ペットにかかわるお仕事学びまショー」ではドッグトレーナーとトリマーから、それぞれの仕事内容や面白さ、「どうしたらなれるのか?」などに関するトークショー形式での講演が行われた。

そのほか、クリスマスグッズの手作り教室や愛犬とフリスビーを楽しむ「ディスクドッグ」の紹介、クリスマス抽選会なども開催された。さらに子供がぬいぐるみを使ってトリミングを体験できる「未来トリマー」コーナーも、東京でのイベント同様に用意されていた。

自治体やNPO法人、大学なども参加

東京では全体的に華やかな色合いの濃いインターペットだが、愛知のイベントでは動物愛護センターがブースを構えていたのが印象的だった。名古屋市では、「人とペットの共生するまち・なごやに向けて」をテーマに犬猫の殺処分ゼロを目指す様々な取り組みを行っている。そうした活動の具体的な内容と、クラウドファンディングの紹介が行われていた。獣医師でもある名古屋市の健康福祉局職員や動物愛護センターの所長が、現場を知り、動物を知る立場から、愛護センターが取り組む「名古屋市・犬猫サポートプロジェクト」に関する説明を熱心に行っていたのが印象に残った。

その他、公益財団法人日本補助犬協会も出展し、「補助犬」と定義される盲導犬、介助犬、聴導犬の仕事や、補助犬と出会った時の対応などを紹介。また、地元愛知県の瓦メーカーが大学とコラボしてユニークな猫用ハウスをデザインした「猫瓦PROJECT」もブースを構え、6作品の中から最優秀賞を選ぶ人気投票を実施するなどのユニークな試みも見られた。

期待されるインターペットの将来

このように、初開催となったインターペット愛知では、洋服やバギーなどのグッズやペットフード以外の展示も目立っていた。新型コロナ禍に見舞われる中、ペットに癒しを求める人が世界的に増えていると報じられている。一方で、動物愛護法の改正やそれに関連する環境省令の作成が行われるなど、日本のペット産業は過渡期を迎えていると言ってもいいだろう。

そんな環境下、インターペットが社会的な側面からも人間と動物の共生を考えるイベントへと発展していく可能性に期待できそうな兆しも見えた。来年4月に予定されているインターペット東京は節目の10回目を迎える。真に「人とペットのより良いライフスタイル」を提案する催しとして、このイベントが包括的な視点をもって発展していくことに期待したい。

《石川徹》

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