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【僕と愛犬の癌闘病記 vol.3】“結果的に”やってよかった3つのしつけ

パピヨンのルナ
  • パピヨンのルナ

しばらく間が空きました。頑張って闘病生活を過ごしていたパピヨンの愛犬ルナが10月8日に息を引き取り、なかなか気持ちが整理できない日々が続いたためです。2回目の月命日が来てやっと、自分の気持ちを受け入れる体制が出来たかな? と思えてきました。

写真は息を引き取る2週間前くらいの時のもの。近所のドッグカフェでランチを食べて、併設しているドッグランで歩き回っている様子です(親バカですが何度見ても可愛い)。

気の強いルナを落ち着かせるために悪戦苦闘

お願いしたドッグトレーナーさんから指導されたしつけの方法で後々やって良かったと思えたことが、3つあります(基本的なトイレトレーニングは抜きにして)。これはたまたまルナが成功しただけであって、どの犬にも通用するのかは分からないのですが…僕にとってお利口な犬に育ってくれました。

飼い始めて最初に困ったのが無駄吠えでした。人間にとっては無駄であってもルナにとっては必要な行為だったはず。ただ、なぜ吠えるのか僕には理解出来ず、対応に苦慮する日々。ドッグトレーナーさんに対応方法を真っ先に聞きました。その時に言われたのは…。

「ルナちゃんは家族を“自分が守らないと!”という意識が強いのでしょうね。言い方を変えれば、群れの頂点は自分だと思っているのかも知れません。守る側から守られる側になることで解決する可能性が高いですね」

初めて飼う犬だったので、そういうものなのかとこの時点では半信半疑で聞いていました。その方法とは「犬と遊んで、興奮し始めたらお腹を見せる体勢で落ち着かせる」という行為。トレーナーの見本を真似しながら自分でやってみても、興奮する犬を落ち着かせるのはなかなか難しい。当時のルナはとても気が強かったので暴れ方も半端ではなく、噛むは引っ掻くわで僕の腕は傷だらけになった記憶があります。そんな日々を過ごしていましたが、さすがに僕も気持ち的に参ってきて最終決戦だ! と勝手に意気込んでしつけを開始しました。最初は当然吠えて暴れていたのですが、暴れる度にお腹が見える状態で落ち着かせるの繰り返し。その結果、お昼ご飯を食べてすぐに始めたのですが、気付くとルナが暴れなくなってお腹を撫でても怒らなくなったのです。外はもう暗くなっていました。

それからのルナはよっぽどのことが無い限り吠えない犬になり、起きている時には常に僕の様子を気にしている感じでした。呼ぶと喜んで来るし、褒めると尻尾が千切れるんじゃないか? というくらいに振り回す。その後のしつけも早く覚えてくれるようになったのは非常に助かりました。

結果的にはとても良い子になりましたが、もう一度やれと言われても別の方法を考えたいなと今では思います。ただ、どうしようもなく困る状況になったときの最終手段としてはアリなのかもしれません。

犬の散歩にも種類がある?

やってよかったしつけの2つめは、散歩についてでした。トレーナーからは“人間の散歩に犬がついていく”のと“犬の散歩に人間がついていく”には大きな違いがあると説明されました。子犬から飼うということはその後十数年一緒に過ごす可能性があるということでもあり、生活の主体が飼い主なのか犬なのかで大きく変わってくるとのこと。実際に犬の生活を保障するのは飼い主なのだから、飼い主あっての犬の生活だということを理解させた方が良いとの教えで、散歩に関しては“人間の散歩に犬がついていく”を実践しましょうとのこと。

散歩だと分かると大喜びでテンションが上がり、外へ出れば一目散に歩く犬が多いですが、飼い主を無視して前を歩き始めたら逆方向へいきなり歩いてくださいと教えられました。突然逆方向に歩けばリードが引っ張られて犬は驚きますし、慌ててついてきます。何度か繰り返していくうちにルナは僕の横を歩くようになり、僕を気にしながら歩き始めました。テンションが上がって前に出たら逆方向に行くかリードを引いて横に来させるの繰り返し。慣れた頃には常に僕の横を歩き、止まればルナも止まって様子をうかがい、僕が歩き始めたら一緒に歩くようになっていました。

ジッとしていてほしい時に役立ったしつけ

最後となるやって良かったしつけの3つめは“マズルコントロール”という行為。本来は噛み癖や無駄吠えを矯正するために行うしつけとのことのようです。いきなり口元をギュッと掴むのには抵抗があったので、アゴ下から口元を撫で回してたり顔を両手で挟んでみたりをやりながら、たまに口元をつまんだりしていました。最初の頃は「ウザい!」と顔を背けられる時もありましたが、しつこくない程度に続けていくと自然と嫌がらなくなりました。マズルコントロールをすることで風呂に入れるときや病院に行ったときなど動いて欲しくない時にピタッと動きを止めてくれるし、慣れた頃には口元を掴んだまま顔をグルグル回しても大人しくしてくれました。

以上が“今思えば”やって良かったと思える3つのしつけですが、同じことをもう一度やれと言われると…かなりの覚悟がいります(15年ほど前の話なので、今は他にも色々な方法があるかもしれません)。でも結果的にルナとの生活は息を引き取るまで飼い主にとってはとても幸せな時間でしたし、ルナにとってもそうであってほしいなと願っています。

そして、とうとう本題となる癌との戦い。正直そこには飼い主としていくつかの後悔もありますが、癌発覚のキッカケから最期までをお伝えできればと思っています。

《藤澤純一》

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