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アドベンチャーワールド、カバの分泌する「赤い汗」を花王に提供…蚊に刺されることを防ぐ技術開発

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アドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)は、花王の中期経営戦略「未来の命を守る会社になる」という方向性に共感し、蚊を媒介とした感染症から人々を守る研究のためにカバの分泌液「赤い汗」を提供した。

花王は研究の結果、肌上に低粘度のシリコーンオイルを塗布することで、蚊が肌に留まらず、吸血を阻害できることを明らかにした。これは、従来の忌避剤(虫よけ)とは異なり、蚊の脚が持つ微細な構造に着目し、肌表面を蚊の嫌う物性に変化させることによって、蚊をとまらせなくする新しい着眼点の蚊よけ技術である。

カバの分泌液とその物性に近いシリコーンオイルを塗布して蚊をとまらせる実験をした結果、どちらの液体も蚊の降着を抑制する効果を持つことが明らかとなった。これは、カバの分泌液には、蚊から身を守る能力もあることを示唆する結果だ。

カバには汗腺や皮脂腺がないため、人間が出す体温調節のために流す汗とは異なり、少し粘性があり最初は透明に近く、しばらくすると赤く色付く。体毛がないため、この赤い汗の膜で皮膚の乾燥を防ぎ(保湿効果)、紫外線防御 (日やけ止め効果)、細菌感染を防ぐ効果があると報告されている。

同園は、今後も世の中の役に立つ技術開発に積極的に協力していくとしている。

《鈴木まゆこ》

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