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犬猫ともに定期健康診断の受診率が増加…Team HOPE「ペットの健康管理に関する実態調査」

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  • Team HOPE、「ペットの健康管理に関する実態調査」を実施
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ペットの予防医療の啓発・普及活動を展開する獣医師団体「Team HOPE」は、犬と猫の飼い主・家族412人を対象に、「ペットの健康管理に関する実態調査」を実施し、その結果を発表した。

この調査は、2016年から毎年実施され、今回で6回目となる。長く人生を共に歩む家族の一員として、人間同様にペットに定期的な健康診断を受けさせる家族は増えており、犬は49%(2016年39%)、猫は38%(2016年24%)にまで増加している。特に猫の増加が顕著だ。猫は体調不良を隠す習性があり、病気の兆候に家族が気づいた時には手遅れという場合が多く、健康診断による早期発見をさらに啓発する必要がある。

初めて健康診断を受診させた年齢は、0歳~1歳が多い。7歳未満の若い犬では80%、猫では88%が0歳~1歳で受診している。今後も、若い犬や猫が定期健診を受け続けると考えられるため、将来さらに定期健康診断の受診率は高まると推測される。飼い始めたばかりの0歳~1歳の子犬や子猫は、特にワクチン接種やフィラリア予防で動物病院に連れて行く機会が多くなるため、病院からの勧めがきっかけになっているケースが多いようだ。

健診の受診項目で、受診が多いのは、問診88%、触診86%、視診78%。聴診66%、血液検査66%と続く。腎疾患や泌尿器疾患、糖尿病等を発見するための尿検査は31%(昨年16%)、消化管内の寄生虫の有無や、消化管内の出血や 消化状態を診るための便検査は25%(昨年17%)、肺や心臓、内臓の異常を診るためのレントゲン27%(昨年17%)で低い実施状況ではあるが、着実に伸長している。腫瘍や心臓疾患の発見に役立つ超音波検査も14%が受けている。

同団体は、問診・触診・視診・聴診・血液検査・尿検査・便検査・レントゲン検査の8項目は、大切なペットの全身の健康状態を正しく把握するためにぜひ受診してほしい項目だとしている。  

また、シニアと言われる7歳以上のペットにおいては、健康診断で何らかの病気などが見つかった経験が犬で44%(7歳以下18%)、猫で47%(7歳未満21%)と半数近くにのぼっていることがわかった。7歳以上になると、病気や異常の発見リスクが高まる。7歳以上の犬で発見された病気や異常は、肝・胆・膵が25%と最も多く、次に歯・口腔22%、消化器、皮膚、筋・骨格が各19%と続く、7歳以上の猫では、泌尿器が49%と最も多く、循環器24%、肝・胆・膵19%と続く。猫の泌尿器の病気が特に多く見つかっていることがわかった。

日本ペットフード協会の「令和3年全国犬猫飼育実態調査」によると、ペットの平均寿命は犬が14.65歳、猫が15.45歳と年々延びている。そのような中、健康診断を定期的に受けさせることで疾病の兆候を早期発見することが、ペットの健康寿命の延伸には不可欠だと同団体は考えているという。

なお、同団体では2021年に、2月22日を「猫の健康診断の日」と制定した。体調不良を家族に見せない習性があり、病気の発見が遅くなってしまいがちな猫にも、健康診断受診の必要性を啓発するためで、賛同病院では「猫の健康診断キャンペーン」を実施する。詳しくはTeamHOPE猫の健康診断特設サイトを参照。

《鈴木まゆこ》

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