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子猫を拾ったらどうすればいい? するべきことと注意点

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一昔前に比べ、外猫の避妊去勢手術が地域で取り組まれるようになってきました。その甲斐あってか、捨て猫や野良猫も少しずつ減ってきているように感じています。ですが動物病院で勤務していると、やはり今でも猫ちゃんを保護してお連れになる方が多数いらっしゃいます。その中でも特に多いのは子猫ちゃんたち。今回は、子猫を保護するときに注意したいポイントをまとめてみました。

子猫を拾ったら

いまだに段ボールに入れられて子猫たちが捨てられていた、という話も耳にします。愛猫家の方なら、こんな所を目撃したとき放ってはおけませんよね。子猫の場合カラスなど野生動物にイタズラされ、致命傷を負ってしまうことも考えられます。見つけたときは、迅速に安全な場所に移してあげましょう。その後できるだけ早いうちに動物病院にかかられてください。

保護した後の注意点

子猫を自宅で保護される際に注意したいのは、先住猫ちゃんとの接触です。外にいた猫達はノミダニや虫卵の寄生、猫風邪や感染症ウイルスを保持していることがあります。少なくとも動物病院にかかるまでは、先住の猫と接触させないよう注意し、飼い主さんも触った後はしっかり手洗いをしてください。

どんな環境を整えてあげたらいい?

保護した時の月齢にもよりますが、まだ目も開いていないような生まれたての子や体重が数百グラムしかない子猫達は体温調節がうまくできません。そのため低体温に陥ることがあります。本来は母猫や兄弟猫によってクリアできる問題ですが、保護した場合には人の手で保温してあげなくてはいけません。

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段ボールの底にホッカイロを入れその上にブランケットを敷き、子猫を入れてあげましょう。カイロがない場合は、段ボールをホットカーペットの上に置いてあげてもOKです。またペットボトルにお湯を入れ、タオルで巻いて湯たんぽ代わりにしてもかまいません。熱すぎないかだけは注意してあげましょう。

食事は何をあげたらいい?

歯が生えてきているようならば猫缶をあげても問題ありません。子猫向けの柔らかいものをあげてみましょう。食いつきがよくない時は、電子レンジで少し温めると香りが立ち食べてくれるかもしれません。

ただ、前述したような小さい子猫の場合には哺乳を行う必要があります。人間用の牛乳は乳成分が多くお腹を下してしまう可能性があります。子猫に与えるのはペット用のミルクが理想的です。同じくペット用の哺乳瓶もあると安心ですが、手に入らない時はスポイトなどで代用しましょう。どうしてもペット用のミルクが手に入らない時は一時的に低脂肪牛乳を薄めて使ってもOKです。

一番注意したいのは、長時間何も摂取せず低血糖を引き起こしてしまうことです。低血糖防止のためには、砂糖水やガムシロップを少量ずつ与えておくと安心です。哺乳頻度は大きさによって変わりますが3~6時間に1回程度。こちらは動物病院にかかったときに改めて確認してください。

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トイレはどうしたらいいの?

猫缶などの食事が取れているようであれば、小さなトレイに猫砂や新聞紙を割いたものを入れ、そこで排泄できるか様子を見てください。

哺乳が必要なほど小さな子猫の場合には、母猫がやるように排泄補助をしてあげる必要があります。ガーゼやティッシュを持ち肛門周り、陰部付近をツンツンと刺激してあげることで排泄が促されます。便秘をしてしまう子も多く、なかなか排便ができずお腹がパンパンになる子もいますが根気よく行いましょう。頻度は哺乳回数と同様です。哺乳と排泄補助をセットで行うと、忘れにくいので良いかもしません。

自宅に迎える? 里親を探す?

可愛い子猫達ですが、既に先住猫がいる場合や住宅の規約で自宅に迎え入れることが難しいケースもあるかと思います。そのような時は里親さんを探しましょう。チラシ類は動物病院などに頼めば院内に掲示してくれます。また自宅で保護し続けることが困難な場合には、預かって里親を探してくれる動物病院や保護団体もあります。まずは電話で問い合わせてみてくださいね。

経験上、成猫に比べ子猫達はあっという間に里親さんが見つかります。大切に可愛がり、信頼できる里親さんを見つけてあげるところまでが保護主さんのお仕事です。また自宅に迎え入れる場合にはウイルスの検査や避妊去勢、ワクチンなどの予防をしっかり行っていきましょう。こちらは動物病院で計画を立ててもらうとわかりやすいかと思います。

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動物病院にやってくる捨て猫達は皆、最初こそ寄生虫や目ヤニでドロドロなものの治療をすればあっという間に美人、イケメン猫ちゃんに変身する子ばかりです。悲しい命が増えてしまわぬよう、保護した際は新生活を始めるサポートをしてあげてくださいね!

《吉田つぐみ》

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