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国立科学博物館、岡山県から昭和天皇に献上された昆虫標本を発見…企画展にて展示公開

昭和天皇コレクションの岡山県産昆虫標本全容
  • 昭和天皇コレクションの岡山県産昆虫標本全容
  • 標本箱のひとつ
  • 国立科学博物館、岡山県から昭和天皇に献上された昆虫標本を発見
  • オオワタノメイガ(岡山県初記録種)
  • 国立科学博物館、岡山県から昭和天皇に献上された昆虫標本を発見

昭和5年(1930年)に昭和天皇が岡山を訪問した際に献上された昆虫標本688点が、国立科学博物館の昭和記念筑波研究資料館で見つかった。調査チームである倉敷市立自然史博物館と国立科学博物館で展示公開される。

岡山県内に現存する県内産昆虫標本は、倉敷市立自然史博物館に保管されている1930年代後半のものが最も古いコレクションだ。古い標本を調べることによって、過去の時代の自然環境を推定することが可能となり、レッドデータ種の評価や今後の保全活動等に役立てることができる。

岡山県の記録等によれば、昭和5年、昭和天皇が岡山に行幸の際、歓迎行事の一環で多数の昆虫および植物標本が収集され、天覧に供された。その後、昆虫標本の大部分(800点余り)は岡山県郷土館(後に県立図書館の一部)に収蔵されたが、昭和20年6月の岡山大空襲で建物・標本とも焼失した。

一方、記録には昭和天皇に献上された標本があることが記されており、奥島雄一主幹・学芸員(倉敷市立自然史博物館)が、国立科学博物館の神保宇嗣研究主幹に心当たりを問い合わせたところ、同館の昭和天皇ゆかりの標本資料を保管する昭和記念筑波研究資料館にて、当該資料と思われる標本コレクションを発見するに至ったという(2019年3月)。

標本コレクションは、両館にて展示公開。倉敷市立自然史博物館では、ポスター展示が行われ、国立科学博物館では、企画展にて標本(一部)およびパネル展示が行われる。

■展示公開
・倉敷市立自然史博物館でのポスター展示
 -会場:倉敷市立自然史博物館 第3展示室「昆虫の世界」、「話題の虫」コーナー
 -会期:3月16日~6月20日
 -観覧料:通常料金(一般150円、大学生50円、高校生以下・65歳以上無料)

・国立科学博物館の企画展での標本(一部)及びパネル展示
 -企画展名:ご生誕120年記念企画展「昭和天皇の生物学ご研究」
 -会場:国立科学博物館 日本館1階企画展示室
 -会期:4月20日~6月20日
 -入館料:常設展示入館料(一般・大学630円、高校生以下・65歳以上無料)
     (入館には事前予約が必要)

《鈴木まゆこ》

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