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なぜ作ったのか? 子猫用の「ねこちぐら」的寝床【ねこDIY】

体重6キロのうすちゃが入るはずもない
  • 体重6キロのうすちゃが入るはずもない
  • ねこDIYでは、この形はねこちぐらにしか見えない
  • お土産餃子の保冷パック
  • 出入口の型紙。目分量でもかまわない
  • ねこDIY:保冷容器でねこちぐらを作る
  • 手芸店やホビーコーナーで売っている乾電池式の電熱カッター
  • ねこDIY:保冷容器でねこちぐらを作る
  • こんな感じでくりぬく

DIYが好きな家族がいると、便利なものを作ってくれてよいと思うかもしれない。その認識は甘い。人はトンカチを持つとなんでも釘に見えてくる。ビジネスコンサルに言わせると、人がドリルを買うのは穴が必要だからでドリルが欲しいわけではないというが、ドリルが欲しいのは、かっこいい最新式のドリルが欲しいからに決まっている。

DIY好き(自分だが)は、作りたいもの、作れそうなものを作る。頼んだものを作ってくれるのは、この2つのどちらかに当てはまるか、新しい工具が欲しいかのどれかだ。

“何か作れそう”な発泡スチロールの容器

というわけで今回は「ねこちぐら」(的なもの)を作る。ねこちぐらは天然の稲わらを使っており、すべて手作りのため価格は数万円。注文しても何年も待たされるものさえある。

もちろんそんな本物は作れない。今回材料として使うのは発泡スチロールだ。発泡スチロールは素材に無数の気孔が開いており空気が断熱材の役目を果たす。保温、防寒機能が高いのでねこが寝床にする「ちぐら」にちょうどよい素材だ。なぜ発泡スチロールから、しかもこれから暑くなるというのに、ねこちぐらを作ろうかと考えたのかというと、宇都宮に行ったからである。

宇都宮といえば餃子だ。都内にも店舗がある有名な店の餃子をお土産に買ったのだが、保冷用の発泡スチロールの容器に入れてくれた。持ちやすいようにナイロンひもの手提げもついている。保冷のため素材もしっかりして厚みもある。蓋の密閉度高い。これは何か再利用ができるのでは? と、とっさに浮かぶのが昭和脳の特徴だ。いや、脳が冷静に「そういって保存して使った試しはない。高級そうなブランドロゴの入った紙袋がいったいいくつあると思っているのだ」と叫ぶ。

脳細胞の発火は思考よりも先行する。人は考えてから行動するのではなく、行動してから考えているのだ。何かが作れるはずだ。で、思いついたのは「出入口を作ればねこちぐらになる」だ。先ほどのDIYの動機・モチベーションの分類では、何かを見て作れそうなものがあれば作る、に相当する。今回は発泡スチロールの容器がねこちぐらになりそうだったので作ることにした。

ねこDIYでは、この形はねこちぐらにしか見えないねこDIYでは、この形はねこちぐらにしか見えない

作業時間は30分、でも問題は…

作り方は簡単だ。発泡スチロールなので普通のカッターでくりぬくことができる。ホームセンターや手芸屋にいけば、電池式の電熱線で樹脂や発泡スチロールをカット、加工できる便利グッズも売っている。くりぬく部分は強度も出したいので、カッターで直線的に切るのではなく、角をアーチ状にしたかった。なので、電熱カッターを使うことにした。

カッターがあれば、目分量で穴を開けていってもいいが、いちおう簡単にサイズを測り、型紙を作った。型紙をあててくりぬく線を引いたらあとはカッターで切り取っていくだけだ。

ねこDIY:保冷容器でねこちぐらを作るねこDIY:保冷容器でねこちぐらを作る

せっかくなので色も塗ろうかと思ったが、ねこは段ボールや発泡スチロールをかじったりする。爪とぎくらいならいいが、塗装したものがかじられるのはよくない。また、ラッカー系の塗料などは樹脂や発泡スチロールを溶かす。使う塗料も水性で無害なものを選ぶ必要がある。いろいろ考えて塗装しないことにした。

発泡スチロール製のねこちぐらの作業時間は30分もかからなかった。電熱カッターで切るだけなのですぐに出来た。しかし、最大の問題は、我が家の「うすちゃ」は推定4歳。すっかりでかくなり体重も6キロ以上ある。餃子の保冷ケースに収まるはずもない。たぶん生後半年くらいまでの子猫用のサイズだ。そんなことは作り始める前からわかっていたが、素材が「ねこちぐらになりたい」と言っていた(ような気がする)のでやむを得ない。

《中尾真二》

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