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公開シンポジウム「知りたい! ツシマヤマネコ保全の最前線」、オンラインにて開催…2月5日

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京都大学の野生動物研究センターおよび霊長類学・ワイルドライフサイエンスリーディング大学院は、公開シンポジウム「知りたい! ツシマヤマネコ保全の最前線」を2月5日にオンラインにて開催する。

ツシマヤマネコは、長崎県の対馬に生息するヤマネコの一種で、野生の数は90から100頭ほどと推定されている。生息環境の変化・分断化、野生化したイエネコからの病気感染、交通事故などで数を減らし、絶滅がもっとも心配される絶滅危惧IA(環境省レッドリスト)に分類されている動物だ。

現在国内では、10の施設で約30頭が飼育されている。同大学では、飼育下での繁殖の成功率を上げるため生殖細胞を活用できないかと考え、2021年度から、環境研究総合推進費の委託を受け、精子や卵子の保存条件を検討する研究を開始した。

同シンポジウムでは、こうした「生息域外保全」の取り組みや、野生下での研究が紹介される。

第1部では、ツシマヤマネコ保全の現状について、伊澤雅子氏(北九州市立自然史・歴史博物館)より、生態と生息状況および保全上の問題点について解説。また、木滑黄平氏(環境省対馬自然保護官事務所厳原事務室)より、野生復帰に関する技術開発の取組状況についての説明が行われる。

第2部では、繁殖の成功率を上げるプロジェクトでの取り組みを紹介。糞からホルモン変化を調べ繁殖生理を解明する取り組みや、精子と卵子を生きたまま長期保存し、繁殖の機会を増やす取り組み、遺伝子解析によってわかったことが紹介される。

参加は無料で、事前申し込みを行えば誰でも参加可能。申し込みは2月3日まで、京都大学ホームページ内の専用フォームにて受け付けている。

《鈴木まゆこ》

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